オランダの栄枯盛衰を知るスナイデル氏は、現在の母国代表に対する正直な意見を投げかけている(C)Getty Images

 1994年のアメリカ大会以来となる北米大陸での開催となる今回のワールドカップ(W杯)は、史上初となる3か国共催(カナダ、アメリカ、メキシコ)。出場国も32から48に増えるなど話題性は十分の一大トーナメントと言えよう。

【動画】衝撃の変貌 スマートだったスナイデルのぽっちゃりとした近影

 そんな檜舞台で史上初の「世界一」を目指すのが、精鋭軍団であるオランダだ。日本、チュニジア、スウェーデンと同居するグループリーグは、いずれも難敵揃いだが、フィルジル・ファンダイク(リバプール)やフレンキー・デヨング(バルセロナ)といったタレントを抱える大国は、やはりスカッドの地力で他国を優る。首位通過の「本命」とされる下馬評は、まず揺るがない。

 世界ランキングも7位に入り、ここ日本で「格上」ともみられるオランダだが、国内の論調は意外にもシビアだ。日本の大会初戦(現地時間6月14日)まで1か月を切った中で、「もう勝てないと思っている」と断じるのは、かつて同国の絶対的司令塔として君臨したヴェスレイ・スナイデル氏だ。

 現役時代にオランダ代表で10番を背負ったスナイデル氏。クラブシーンでも、アヤックス、レアル・マドリー、インテルなどメガクラブを渡り歩いた天才は、米スポーツブックメーカー『Hardrock Bet』のインタビューで、「確かにクーマンは、素晴らしい仕事をしている。僕自身、彼の指導の下でキャリアをスタートさせたから、彼には心から感謝している」と切り出した上で、現代表の勝負弱さを疑問視した。

「ただ、同時に彼が率いているチームは、過去に世界トップ5に入るようなチームに勝てなかった。僕らはそんなリアルを見てきたんだ。世界チャンピオンになりたいなら、トップ5に入る国にも勝たなければならないが、彼(クーマン)は近年それを成し遂げていない」

 これまでもスナイデル氏は母国代表に厳しい眼を向けてきた。グループリーグの顔合わせが決まった昨年12月には米スポーツ専門局『ESPN』のオランダ版で「再びタイトルを獲得できることを願ってはいるけど、もう信じてはいない」とも糾弾。

列強国との競争力の低下を嘆いていた。

 そうした中で改めて課題を突き付けたレジェンドは、「走力に優れ、機動力を持ったチーム」と評した日本との初戦が、トーナメントを生き残るための「肝」であるという見解を続けた。

「日本との初戦が重要になる。かなりね。あとは基本的には運がいる。準決勝に進むとなると、かなりの運が必要だ」

 ネームバリューだけを考えれば、ベスト4に勝ち残れるだけの力はあるように思えるオランダ。そんな彼らの耳に、レジェンドの厳しい言葉はどう響くだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

編集部おすすめ