ドラマ、映画、バラエティとジャンルを問わない活躍で、“ヒットドラマにこの人あり!”と呼ばれるほどの人気と愛され力を誇る野呂佳代。4月からは『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)がスタートするなど大忙しの彼女が、念願叶い『東京喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第12弾 仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』で、三宅裕司座長のもと熟練のベテラン喜劇人たちとの共演を果たす。

熱海五郎一座の大ファンだという野呂に、本作参戦への喜びやさまざまな作品に引っ張りだこの心境を聞いた。

【写真】野呂佳代、誰をも笑顔にさせる癒やしのスマイル!

◆念願の熱海五郎一座出演「やっとオファーいただけるに値するように」

――熱海五郎一座への出演オファーを聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

野呂:ずっと観に行っていたので、念願の!っていう感じでした。やっとオファーをいただけるに値するようになったんだなと思いました(笑)。

お笑いもバラエティもお芝居も大好きな私なので、それが全部合わさった感じの熱海五郎一座はもう最高ですよね。

熱海五郎一座に通うようになったきっかけは、東MAX(東貴博)さんです。温泉番組をレギュラーでやっていたご縁で観に行くようになったんですけど、めちゃくちゃ面白くて! 一時期三宅裕司さんにハマりすぎちゃってた時もあったし(笑)、ほかのメンバーの皆さんの笑いも好きだったのでそれからずっとファンです。“レジェンドの笑い”みたいなのもすごく面白いですし、今風なものや小ボケのかまし方も超面白すぎるんですよね。

――これまでご覧になられた中で印象に残っている回はありますか?

野呂:AKB48の後輩で、同じ事務所の横山由依ちゃんが出ていた公演ですね。みんなそれぞれ楽器を演奏していたんですけど、すごく挑戦的なことをされていると同時にカッコよさが出ていたのが見ごたえがあって印象に残りました。

――今回は『仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』というタイトルの“ボウリング”がテーマの作品になります。メインビジュアルの投球フォームも決まってますね。

野呂:この時は三宅さんがつきっきりで教えてくれました。
このビジュアルに熱海五郎一座の面白さが詰まっている感じですよね。これだけのすごい人が集まってボウリングのピンになってるんですよ?(笑) めちゃくちゃ面白そうだなって自分でも思いますし、大好きな皆さんの中でお芝居できるのは絶対楽しいはずなので、惜しみなく後悔のないように全部を吐き出して楽しみたいと思います。

――沢口靖子さんが一緒にゲスト出演されます。

野呂:『科捜研の女』に出演させてもらったことがありますが、びっくりするぐらいキレイで! 「うわ!本物だ!」みたいな。私は死体の役だったんですけど、とにかくオーラがすごすぎました。

沢口さんは熱海五郎一座への出演は2度目なんですよね。また呼ばれたということは、前回がすごく面白かったということ。ボケている沢口さんとか新しい一面を近くで見られるのがすごく楽しみです。

――レジェンドの皆さんとの共演はいかがでしょう。

野呂:客席からじゃなくて、同じ舞台上に立つ共演者として感じられるのがすごく楽しみだなと思って。稽古もどんな感じになるんだろう。東京の喜劇をやられている方は計算されたアドリブをされる時もあると思いますし、お芝居の勉強になりそうですよね。


――その中で一番頼りになるのは、やっぱり東MAXさんですか。

野呂:そうですね。結婚のお祝いもいただきましたし、密の濃い会話は一度もしたことがないんですけど(笑)、温泉番組も東MAXさんがいるから楽しかったみたいなところがあったので、今回も頼りにさせてもらおうと思います。

助っ人ゲストのビビる大木さんも絶対に全員のことを拾えるし、面白いし、何をやっても対応してくれそうなので頼もしいです。

――舞台へのご出演は6年ぶりです。

野呂:舞台はすごく好きなんですけど、あまり縁がなくて。私はAKB48でも生で舞台をやってきたのですごく好きなんですよね。ラジオも生放送が好きですし、昔から好きで観ていたバラエティも生放送。生なのにいろんなことをやっちゃうみたいな面白さがすごく好きなんです。

舞台もちゃんとした題材だったらふざけたことは絶対できないですけど、熱海五郎一座に関してはもうすべてが楽しみすぎるというか。なんかいろんな事故が起きそうじゃないですか。春風亭昇太さんがセリフを忘れちゃった場面を何回も観たことありますし(笑)。
毎回違う空気感が絶対に味わえるので、久しぶりの舞台を楽しみたいと思います。

◆「AKB48を卒業した中途半端な人」だった時期はやめようかな?とも

――野呂さん、今年デビュー20周年を迎えられます。

野呂:私ですか!? 全然気にしてなかった。大したことをしてないですし、なるべく芸歴を短く見せたいんですよね(笑)。

――ネットニュースでも野呂さんの記事があふれていますが、注目される現状についてはどんな思いでいらっしゃいますか?

野呂:素直にとてもうれしいんですけど、自分では本当に何も思っていなくて。日々生きてるのが精いっぱいで、辛うじて次にお休みをもらったらどこへ行こうかなとか、そのぐらいで。自分の実感とはズレがあります。

――この20年の中で一番大変だった時期はいつごろになりますか?

野呂:一番大変だったのは、AKB48、SDN48を卒業して、『ロンハー(ロンドンハーツ)』までの2~3年くらいですかね。ここからどうやって売れる? どうやって人前に出られる? どうやって女優になっていける? どうやったらバラエティで活躍できる? すべてが全く見えなくて。その時期が一番嫌だったかもしれないです。やめようかな?とまで思っていました。

お芝居がやりたいけどきっかけがない。
オーディションを受けていたわけでもないですし、AKB48を卒業した中途半端な人でした。何もないのでただ遊ぶしかないっていうか、友達と会ったり、ワンちゃんを幸せにしたりすることしか考えられなくて。辛うじてパチンコの番組のお仕事があったので、「まずはこれを頑張ろう」みたいに思いながらやっていました。

――そう考えると今の状況は……

野呂:マジですごいなと思う。あそこからここまで来れるって奇跡的なことでしかないなって日々思っています。

とにかく周りの人の助けでしかないですね。先輩であったり、事務所のマネージャーさんであったり。本当に感謝しています。

――やはり転機になったのは『ロンドンハーツ』ですか。

野呂:当時の自分を脱却させてくれて1つ上に行かせてくれたのは『ロンドンハーツ』ですね。あの時いただいたアドバイスを信じてみなかったらダメだったかもしれないです。「今あるやつをやれよ!」みたいなことを言われて、その時も信じてはいなかったんです。
でも、「その言葉を信じたら何か道が拓けるかもしれない」と思ってやっていたら、チャンスがあった時にちゃんとそこに懸けられるようになったんですよね。

そしてそこからまた落ちた時に拾ってくれたのが『ゴッドタン』で。なんか本当にすごい番組に鍛えられてますね、私(笑)。本当に奇跡だなって思います。

◆憧れの存在・小池栄子は「自分の中ではもうレジェンド」

――お芝居での転機はどの作品になりますか?

野呂:『ナイト・ドクター』(2021/フジテレビ)ですね。それまで深夜ドラマでお芝居を自由にやらせてもらえるような環境が何回かあったんですけど、ゴールデンで、医療もので、オリジナル脚本でちゃんと役をいただけたのが『ナイト・ドクター』だったので。

――昨年は全クール連ドラにご出演されていました。

野呂:なにげに4年前くらいからクールがあまり空かずちょこちょこやらせてもらっていたんです。皆さんの認識がたぶん昨年ぐらいからだったんじゃないかと思うんですけど、でも認識されることの難しさはすごくよくわかるのでとても光栄なことだなと思います。

――憧れの存在として小池栄子さんのお名前を挙げられていますが、ほかにも憧れの俳優さんはいらっしゃいますか?

野呂:小池さんは自分の中ではもうレジェンドで、総合的に小池さんになりたいというか。小池さんみたいな振る舞いができたら最強なんじゃないかなって思います。

ほかには安藤サクラちゃん。
サクラちゃんの自然な演技は飛び抜けていますし、すごく好きなんですよね。『ブラッシュアップライフ』で共演できましたが、あんな自由に演技ができるなんてやっぱり素晴らしいなと思いました。

波瑠ちゃんも波瑠ちゃんにしかできない強さや芯のある演技がすごいなと思いますし、共演して中井貴一さん、寺島しのぶさん、安達祐実さんも皆さん素敵だなと感じました。

――野呂さんの自然体なお芝居も素敵です。

野呂:お芝居の勉強をまったくしたことがないんです。でも、人の観察が好きで、何もなかった時期によく人の観察をしていました。ドキュメンタリー番組を観るのも昔から大好きで、そうしたことが活きていたらいいなと思います。

――そんな中でこれから目指す俳優像というものはありますか?

野呂:日々いろんな人に出会うから、すごい人にもたくさんお会いするんです。そうすると自分ってなんなんだろう?みたいなことをすごく思っちゃうんですね。当たり前ですけど自分よりできる人もめちゃくちゃいるじゃないですか。そんな中、私の場合やっと1歩を踏み出せたぐらいのことなので、いろんな人を見て勉強になったものを自分に落とし込めたらいいなとは思っています。本当にみなさんすごいんですよね。

しいて挙げるとすると、お芝居もバラエティも全部ができる人になりたい。『ゴッドタン』のアシスタントもずっとやり続けていきたいし、やれること全部を全力でやりたいです。ってなると、やっぱり小池さんみたいな人になりたいかも(笑)。

――4月から『銀河の一票』も始まり大忙しだと思いますが、どんなことでリフレッシュされていますか?

野呂:プライベートでの楽しみは友達と話したり遊んだりすることなんですけど、最近やっぱり体力を温存するには遊ぶのを控えることも必要だなと感じていて。

そんな時に、最近本当にゲラゲラ笑うぐらい好きなYouTuberで「うじとうえだ」という人がいるんですけど、その人たちの旅の動画がすごく面白くて! ダメダメ人間同士というか、底抜けに明るい人と人は良さそうなんだけどすぐキレるタイプの2人で、男ノリのいい意味でのバカらしさが面白すぎるんですよね。1日頭がパンパンになって帰ってきて「うじとうえだ」を観てバカみたいに笑うと切り替えられて。それが今すごく楽しみかもしれないです。

やっぱり笑うことって大切だと思うんですよね。今回の熱海五郎一座も稽古場からずっと笑えそうなので本当に楽しみですし、本番では皆さんにも楽しんでもらいたいという気持ちを全力で伝えたいと思います。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])

 『東京喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第12弾 仁義なきストライク~弾かれた栄光と約束のテンフレーム~』は、東京・新橋演舞場にて5月31日~6月24日上演。

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