はじめて表参道「チャオバンブー」の「タイ風香菜入り冷やしラーメン」を食べたのは、今からおよそ20年前の夏。冷たいラーメンといえば、冷やし中華ばかりだった当時、独特のクセのある香草とナンプラーは、インパクト大。
当時のぼくは、めろめろでした。ただそのころ、香草もナンプラーもなかなか売ってなくてねえ。店員さんに聞いたところで、名前すら知らない。あー、もっと食べたいのに、家でも作りたいのに!
ところが時代は変わりました。ここ数年は街のスーパーでも、ちょっと大きめのところに行けば、普通にアジア食材を取り扱ってる。むかしはわざわざアジアンタウンまで、買い付けにいったものだけれど(遠い目)

何が入ってるか、見ればわかるものは、再現するのはもちろん簡単。
ただ、スープがむずかしかったー。鶏ガラにしたり、市販のラーメンのスープを水で延ばしたり、といろいろ試すも、うまくいかない。よっぽど、お店の人に聞こうかと思ったけれど、それをやったら負けな気がして、何度も食べては、トライ。ある日「ちょっと甘めの魚介系ダシ」というところまで見抜いて、それを頼りにたどり着いたのが、エスニック料理なのに「めんつゆ」。もちろんそこに到達するまでには、エビでダシとって、砂糖入れたりとか、とんちんかんなこともずいぶんしてたけれど。
そんなこんなで、再現に成功したのが、こちらのレシピ。


材料(2人前)
中華麺(太麺がおすすめ) 2玉
もやし 1袋
豚バラ肉 150g
スープ
 めんつゆ(かけそばの濃さを目安に) 500cc
 酢 100cc
 ナンプラー 大さじ2
香草 適宜
ゴマ 適宜
一味唐辛子 適宜

・香草を2〜3cmのざく切りに。
・豚バラ肉を細切りに。もやしと同じ太さを目安に。
・アクを取りながら、豚バラ肉をさっと茹でる。
 火が通ったら、いったんざるに引き上げて、そのゆで汁でもやしを茹でる。
 もやしは、茹で過ぎず、シャキシャキ感を残す。
・豚バラ肉ともやしを水にさらして、熱を取ってから、クッキングペーパーで軽く絞る。
 塩、黒こしょう(分量外)で軽く味付けして混ぜ合わせる。
・中華麺を茹でる。
・スープの材料を全部混ぜる。もちろん冷たいまま。
・ゆであがった中華麺を氷の入った水でしめて、よく水を切る。

・写真のように盛りつけ、最後にゴマ、香草、最後に一味唐辛子をかけて完成。

去年の夏以来、ほぼ1年ぶりに作ったけれど、やっぱりうまいー。ウチのアシスタントにも好評です。
タイの中華麺を使った料理「バミー」を日本風にアレンジしたモノだと思います。タイだと、卓上においてある、唐辛子の酢漬けとか、砂糖とかで、自分好みの味付けにして食べるのが、基本。その名残が、お酢や一味唐辛子や、めんつゆの甘みなのじゃないかと。そんなわけで細かい味付けは、お好みで。ぼくは、お酢と一味唐辛子が多めが好きです。(小沢高広)
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