元気に動いているプリキュアを見ているだけで俺は幸せなんだな。
2010年6月、東映撮影所に「東映デジタルセンター」という、映像制作の部署が設立。
それを記念して、8月4日~6日の3日間に渡り「東映デジタルセンターOPEN記念セミナー」が開催された。
5日のセミナー内容が「映画プリキュアオールスターズDX2 エンディングCGメイキング」だというのだから、これは観に行かないわけには行かない。
会場に着いてみると、映画館のようなシアタールームに通される。この大画面でプリキュアの講義を受けられるのか!
所長の葛西歩さんの挨拶からセミナーはスタート。
まずはこちらを見てくださいと、いきなり「DX2」エンディングのコンプリートバージョンが流れる。
「DX2」のエンディングはモーションキャプチャーを利用していて、フルCGで17人のプリキュアたちが踊る。
「使われている曲が、それぞれのシリーズの主題歌をアレンジしたメドレーになっていて、過去シリーズを見ている人なら感動すること間違いなしな出来になっている。
つまり、今までのプリキュアをすべて詰め込んだ集大成なのだ。
「ふたりはプリキュア」から7年間、ずっと見続けてきてよかった。本当にそう思う。
コンプリートバージョンはDVD//BDの特典映像として収録されており、映画のエンディングで使われているものより数分ほど長くなっている。
それがいきなり大スクリーンで流されたのだ。心の準備がまだ出来てない!
エンディングディレクターの宮原直樹さん、CGディレクターの中沢大樹さん、CGプロデューサーの今村幸也さんの紹介が入り、本格的な講義が始まる。
これからエンディングのメイキングについて直に聞けるのだ。
しかも無料!
1時間という濃い内容のなかから、とくに重要だと思われる部分を箇条書きで説明する。
・「DX2」エンディングの作品テーマとして、「ふたりはプリキュア」から「Yes!プリキュア5GoGo!」までプロデューサーを務めた鷲尾天さんは「ワクワクするステージを最前列で!」と提案したそうだ。(以前「DXシリーズ」の監督、大塚隆史さんにインタビューに行ったときに、エンディングをダンスにしようといったのは鷲尾さんだと言っていた)。踊っているプリキュアを見るだけで、子供たちはワクワクするだろう。大人だって楽しいのだ。
・スタッフ側のテーマは「フレッシュプリキュア!」でやり残したことに挑戦するというもの。
「フレッシュ」のエンディングも「DX2」と同じようにモーションキャプチャーを利用したフルCGアニメでダンスをしている。しかし「フレッシュ」のダンスは観客がいなく、コンサートという感じはない。
・エンディング制作の時点では「ハートキャッチプリキュア!」のテーマがファッションであるということしか情報がなく、ファッションショーのように花道をあるく感じに仕上げるしかなかったという。某PVを参考にしているという意外な事実も飛び出した。
・精霊の光によってオーラをまとっているというキャラクターの特徴を活かすために、移動を多くして、キラキラ感を出したのが「ふたりはプリキュアSplashStar」全身から光が溢れているので、動けば動くほど光り輝くのだ。
・「フレッシュプリキュア!」はダンスが作品テーマになっているので他シリーズよりも振り付けが難しく、アイドルよりもダンスユニットを意識していたそうですが、振り返ってみると微妙な指示だったかもなーと語っていました。
・http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000A6UVTE/ex-news-22/">「ふたりはプリキュアMaxHeart」のキュアブラックとキュアホワイトが、客席に向かってジャンプして壁を蹴ってステージに戻るシーンは最初から決まっていたそうだ。これは前作の映画「プリキュアオールスターズDX」でも合ったシーンだけど、テレビシリーズのオープニングを再現というのが、ずっと見続けてきたファンに向けたメッセージのようで嬉しい。
・シルエットで登場する「Yes!プリキュア5GoGo!」のシーンは、超有名ハリウッド映画のタイトルを意識しているそうです。これは俺も気付かなかったので、ぜひチェックしてみたい。
・キャラクターを可愛く見せるためのレイヤー、通称「お肌ぴちぴちレイヤー」を開発したり、女性スタッフの提案で、健康的に見えるチークを塗ったり。顔一つ取ってもものすごい手間をかけている。だからプリキュアたちはあんなに可愛いんだなあ、とスタッフに改めて感謝。
ひとしきり説明が終わり、最後に3Dバージョンのエンディングを鑑賞。入場前に配られていた3Dメガネの出番だ。
プリキュアたちが飛び出してくる! 手を伸ばせば触れるのではないだろうか? プリキュアがまさかの三次元化! でも俺の夢は「プリキュアがいる二次元に行く」ことなんだ……。
「プリキュアオールスターズDX2」はDVD/BDでも販売しているし、レンタルもあるので、少しでも興味が出てきたという人はぜひ見てもらいたい。
講義終了後、最後にもう一度コンプリートバージョンのエンディングが見たかったのだが、これは贅沢というものだろうか。(加藤レイズナ)