「ボルドー周辺には三つの川が流れています。ガロンヌ川とドルドーニュ川。そして二つの河川が合流してジロンド川になります。それら三本の河川により運ばれた土壌が、ブドウ栽培に適した砂利などが多く含む水はけの良い土地を作りました。また大西洋岸のボルドー周辺は温暖な海洋性気候です。これもブドウ栽培に好適です」
そもそも地理的な条件がそろっていたのだ。ところで、ボルドーと言えば「五大シャトー」。これは世界的に有名なフランスにある五つのワイナリーを指しているのだが、どんな経緯で決まったの?
「元々、五大シャトーは四大シャトー(ラフィット・ロートシルト、マルゴー、ラトゥール、オー・ブリオン)でした。そして発端は1855年のパリ万博にさかのぼります。政府が万博でボルドーワインを出品する際、ボルドー商工会議所は500以上あるメドック地区内のシャトーから選りすぐりのものを決めたのです。格付けとはブドウを栽培する畑の格付けなので、下がることはありません。今後も永久保存されます。その約100年後、1973年にムートン・ロートシルトが一級に格上げされ、現在の五大シャトーになりました」