楽しいクリスマスシーズン。プレゼントを開けた瞬間、ナイスなクソガキどものスマイルが突如、修羅場に(暗転)。
「コレジャナイロボ」は、絶妙なニセモノ感とカッコ悪さを持ったトラウマ玩具(公式)。
有限会社ザリガニワークスの木製手作りロボットなんだが、脱力することこのうえないへなへなっぷりを前面に展開。2001年の売れなかった数年の苦労時代を超えて、結局は大人気。2008年度のグッドデザイン賞も受賞しちゃうという現代の歪みと倦怠とメタ社会を反映したハイブリッドロボおもちゃだ(がっきーん!)。
そのコレジャナイロボが、まさかのお菓子展開。カンロ株式会社から出た!カンロ、やるなー!
カンロは、大正元年に宮本政一が「宮本製菓所」を創業したのが始まり。
欧米の甘いフルーティーな飴に支配されつつあった日本飴ちゃん業界の中で、「いやさ、日本人には日本人の飴が必要だぜよ」っつーことで、なんと醤油を使って飴を作るという暴挙に出て、完成したのが「カンロ飴」で、大ヒット。社名も「カンロ」に。一本筋が通ってる日本の会社、社是が「真・善・美」の企業ですよ。
そこが、「これじゃなーーーい!」という飴を市場にドロップ(飴だけに!)。
パッケージには、昭和の子供の落書きをさらに落書き化したようなコレジャナイロボと、「食べてびっくり!?」「これじゃなーい!!」という手書き文字+「コレジャナイ(?)4つの味」という説明。
さっそく開けて、取り出して、包みを開けると、黄色い飴が登場して、食べると、うむ?
うーむ。
黄色だとレモン味を脳内想定しちゃうんだけど、これは、えーと、えーと、ソーダ味。
「これじゃなーーーい!」
といいながらなめなめ。
脳科学的には、味を予測するとその味がさらに強く感じられるそうだ。
つまり、甘いだろうと予測すると脳のニューロンバチバチが、舌の甘さを感じる味蕾をパカッと受け入れ0K体制に導いて、カマーンっつって、よりいっそう甘さを感じさせる仕組みになってるそうな。
なので、レモン味を脳内想定して、なめるソーダ味は、なんだかへんな感じ。
もにょもにょする。
パッケージの裏に「でもおいしいね☆」ってあって、その下に「もうこれでいいね☆」って書いてあるんだけど、ほんと「もうこれでいいね☆」という達観した気持ちでペロペロ。
飴の包みの重なりの部分に、「食べてからめくってね☆」って書いてあって、めくると「じつはソーダ味 びっくりした?」って書いてある。
「コレジャナイロボキャンディ」だって書いてあるから、びっくりはしないけど、このへんな感覚はクセになる。
色と味のアンチハーモニー。平成の新時代の味覚を築くのは、これじゃーい!(米光一成)