iOSのゲーム「Time Ducks」トレイラー映像が、いい感じに脳が溶けそう。
動物たちが道路を渡るゲーム画面に、カントリーな音楽、と思うと、どがああーんと爆裂音が炸裂して、「うぴいいいいーーあははははっ」と高笑い。
WHY DID THE DUCK(がちょうのアップ)CROSS THE ROAD? って聞かれても知らねーよッてツッコミ入れどころ満載な映像。なんだこれは!? ってんで、遊んでみた。
ゲームのベースは、ゲーマーなら御存じ「フロッガー」(Frogger)。「フロッガー」は、カエルを操作して、車がびゅんびゅん走行する道路を抜け、丸太を渡って巣にもどすという古典的名作(1981年にコナミ開発セガ・エンタープライゼスから発売)。
「フロッガー」をアレンジして、アヒルをはじめとする15種類の動物を、30種の車が疾走する道路を渡らせて巣にもどすってゲームになっている。
トレーラー映像から奇ゲーかクソゲーを想像していたら、これが、おもしろい。
動物を移動させる経路を指でなぞり、ルートを描く。
車のスピードはそんなに速くないので、これは難しくない。できる。
邪魔をする犬につかまってもゲームオーバーなのだが、この犬もワンタップで倒すことができるので、楽勝。
もちろんゲームが進行してくると、動物の出るタイミングが速くなってきて、あわあわするのだけど、これも冷静に対応すればOK。
だが、問題は、人間の欲だ。

このゲーム、もどした動物の種類がルーレットの目になって高得点ゲットできるというシステムが組み込まれている。ただ動物を巣にもどすだけでは、たいした得点にならない。
画面左上にもどした動物が3種表示される。たとえばアヒルを巣にもどす。次もアヒルを帰巣。アヒル・アヒルの表示。その次にウサギが登場。ここでウサギを帰すと、アヒル・アヒル・ウサギになってコンボにならない。ウサギを寄り道させて、次に出てくるアヒルをもどせば、アヒル・アヒル・アヒルでコンボ100点をゲット。
しかも、お邪魔キャラの犬が、ワイルドカードになっていて、犬退治のタイミングもキーになっている。動物ルーレットについつい熱を入れてしまう。
いや、帰路を左右にぐちゃぐちゃっと描いて時間稼ぎさせればいいだけなので簡単なんだが、この「簡単なんだが」がくせモノで、たくさんの「簡単なんだが」が積み重なって、思わぬところでミスをしてしまう。

「いやいや、こんな簡単なところでミスるとは、次はできるに違いない!」と思わせて、ついついまたプレイしてしまう中毒性がある。
もうひとつギミックがある。「時間操作」だ。動物以外のところをタッチして、右にスライドさせると、時間を速く経過させる。これはゲーム前半の退屈なところを飛ばすときにも便利。もうひとつ、左にスライドさせると、時間が少し後戻りするのだ。
子連れのカルガモが出てきたときなど、このちょっと時間後戻りコントロールを使って救ってやりながら、横断させるとGOOD。
見た目のキッチュさから連想するのに反して、ピュアでロジカルなゲームデザイン。
制作はデンマークのインディペンデントゲームスタジオのTough Guy Studios。初リリース作品だ。(米光一成)
編集部おすすめ