なんなんだ、ラーメン。もう、無敵じゃないですか!
ただ、一つだけ難点がある。いや、難点という程のものじゃないんだけど。「今すぐ食べたいな」と思っても、ラーメンには食べられないシチュエーションがあるのだ。いつでもどこでも食べられる料理じゃない。カップラーメンを作るにも、お湯が必要になるだろうし。
……いや、大丈夫なんです。いつでもどこでも食べられるんです。
これは、いわゆる“駅弁”。だけど、ラーメン。ラーメンの駅弁だから“駅麺”と呼びましょう。
では、その食べ方について。パッケージからはヒモが出ているので、食べたくなったらそれを引っ張ってください。そして、8分待ってください。すると、アッツアツのラーメンが出来上がっているから。
「生石灰と水の化学反応で発熱します」(同社・担当者)
当初は液体状のレトルト形態も企画されかけたが、「それじゃ、面白くない!」と方向転換。ヒモを引っ張るとゼリーが溶け、温かい液体スープが生み出される現在の“駅麺”に辿り着いたのだ。
いや、文句なしに斬新じゃないですか。駅弁って、ご飯物のイメージが大勢を占めているし。
というわけで、“駅麺”を実際にいただいてしまいました。
さぁ、では言われた通りにヒモを引っ張ってみますよ。……シュ~っと、駅弁らしからぬ音がする。駅麺の中で、何かが起こっているのだろうな。いよいよ、気持ちが盛り上がってきたぞ。それと、次第に美味しそうな匂いもしてきました。これが、食欲をそそるんだ。
はい、8分経過しました。すでに、パッケージは温かい。さて、フタを開けると……。おぉ~、磯の良い香り! そして、具だくさん!!
「ウニ、ホタテ、三陸産ワカメなどが入っております」(担当者)
じゃあ、いただきます。
しかし、新境地だ。こっちは何も用意していないのに、放っておいたら勝手に温かいラーメンが出来上がっているのだから。
そんな『海鮮塩らーめん 八戸磯そば弁当』は、1月8日から八戸駅にて発売されており、発売エリアは順次拡大予定とのこと。
「『斬新!』、『変わってる』、『スルッとしたノド越しで、すぐに食べられる』といった反響が、今までに寄せられております」(担当者)
「駅弁」は日本の文化である。そして「ラーメン」も、今や日本の文化であると言い切れると思う。その二つの文化が融合したのだ。超党派の、斬新な駅弁が“駅麺”。
こんなのが日本各地で食べれるようになったら、嬉しいのにねぇ。
(寺西ジャジューカ)
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