一時のお笑いブーム終焉後、ネタ見せ番組が減っている昨今。
そんななか、リアル10代が「学校コント」をやってのける番組がある。


ジャニーズJr.や乃木坂46メンバーなど、10代のアイドルやタレントたちが多数出演するNHK Eテレの教育バラエティ番組『Rの法則』において、4月からスタートした恒例企画「あ~るあ~る1グランプリ2013」だ。

視聴者から投稿された“学校あるある”をもとにしたコントに、10代のアイドルやタレントで構成された「R's」のメンバーが挑戦するのだが、「あるある」ネタでありながら、「こんなヤツ絶対いねえ!」と思うような濃いキャラが登場したり、シュールなオチがあったりと、なかなか力の入ったものになっている。
10代のアイドル・タレントたちがどのようにコントに挑んでいるのか。収録現場をのぞかせてもらった。

学校セットが組まれたスタジオ付近では、出演者たちの黄色い声が飛び交っていて、実際の教室風景のよう。
「R's」のメンバーに、「コント師」として知られる芸人・TKOが加わったところで、収録がスタートした。

多数のカメラと多数のスタッフが取り囲むなか、通しとカメラリハーサルを経て、本番が行われるが、終始リラックスした空気だ。
セリフはもちろん、動きなども台本で指示されているものの、基本的にコントは素人だらけの10代のアイドル・タレントたちが、イキイキと「素」に近い感じで演じている。

テレビドラマやコントで出てくる「撮影現場」は、「はい! カット!」→「キミ、そこがちょっと違うんだよねえ。もっとさぁ~」なんてやりとりを何度も繰り返すものだが、出演者はのびのびと自然に動き、合間にスタッフが何度も綿密な打ち合わせ・調整をして作り上げていく。
細かな演技指導などをしないにもかかわらず、一人一人が考えながら、コントを演じている。

なかでも目立っていたのは、「しょうき」(諸星翔希)演じる「校則マモル」。

学校の風紀を乱す生徒を取り締まる風紀委員というマンガ的キャラだが、今回のコントにおいては、夏休みのキャンプを境にチャラ男に「大変身」してしまったという設定。
教室に登場し、いくつかのセリフを話し、自分の座席にはけるまでの短いやりとりなのだが、通し、カメリハ、本番と、その都度表情や動きを変えてくる。
そのたびに尻を突き出すような変な動きも、顔芸もどんどんエスカレートし、激しくなっていくのだ。アイドルなのに……。

アイドル・タレントがお笑いをやることも、「学校コント」をリアル10代がやるということも、いろいろ気負いが出てしまいそうだが、終始リラックスの中に貪欲さが伝わってくる現場だった。

ネタ見せ番組不足の今、ここから新たなスターが登場する可能性はあるか!? 今後に期待したい。
(田幸和歌子)
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