今回のツアーのセットリストには当然ながら、きのう発売されたAKB48のシングル曲「恋するフォーチュンクッキー」も入っている。
コンサート会場では開演前にも、AKB48の研究生が踊るのにあわせ、ワイプにて、同曲でセンターを務める指原莉乃(HKT48)が振りを説明するという映像が流されている。
そういえば、先週末のナゴヤドーム公演の開演前には、サマンサタバサグループのスタッフたちが同曲にあわせて踊るミュージックビデオが上映されていた。サマンサタバサといえば、今回の東京ドーム公演の最終日に卒業セレモニーが行なわれる板野友美をはじめ、AKB48のメンバーたちがCMモデルとして参加する人気ブランドだ。くだんのMVでは、いきなりイントロから女性スタッフたちが軽快なステップを踏んでいてびっくりする。
この「恋するフォーチュンクッキー サマンサタバサグループ STAFF ver.」を、私はナゴヤドームで初めて見たのだが、先にエキレビでも紹介した、AKB48グループのスタッフバージョンと同じくYouTubeのAKB48公式チャンネルにもUPされている。
YouTubeのAKB48公式にはまた、「恋するフォーチュンクッキー FAN Ver.」と題した動画もUPされている。ただし、これはAKB48の運営側が企画したものではなく、アメリカ・テキサス州在住のファンが世界中に呼びかけて動画を集め、編集したもの。出演するのは、アメリカのほかアイルランド、イギリス、インドネシア、オーストラリア、シンガポール、スウェーデン、スペイン、中国、フィリピン、フランス、ベルギー、マレーシア、そして日本からと、14カ国・のべ89名におよぶ。
映像を手がけたデヴィッド・リャオ・ジュニアさんは、6年前に「軽蔑していた愛情」のMVを見たのをきっかけにAKB48のファンになったとか。
それにしても、ファンが自発的につくったものを公認しちゃうなんて、ちょっと粋ではありませんか。いや、それ以上に、こんなにも世界のあちこちにAKB48のファンがいるなんて、驚きとともに感動を覚える。デヴィッドさんもまた、次のようにコメントしている。
《AKB48のファンは世界中にいるので、アメリカ以外の様々な国からビデオが届いたこと、それから、たくさんの女性ファンがビデオを送ってくれたことも、とてもうれしかったです。それは、AKB48が影響を与えているのは、男性ファンに留まらないからです。AKB48を目標にしてがんばれる若い人たちは、たくさんいると思います。
このビデオは、世界中のファンの協力によって、完成しました。良い作品ができたのは、AKB48のファンの姿があらわれているからだと思っています》
日本独特といえる要素も多いアイドルという文化が、ほかの国にも受け入れられるとは。もちろん、すでにAKB48にはインドネシアや中国にも姉妹グループがあり、人気を集めていることは知っているものの、アジアだけでなくアメリカやヨーロッパにもAKBのファンがいることを、このMVで初めて知ることができました。
……と、こんなふうにいろんな人が「恋するフォーチュンクッキー」を踊る動画を見ていると、自分でも踊りたくなりますよね? そんなあなたのために、AKB48の公式ブログでは、「フリ確認シート」という、振りつけを図解したPDFのダウンロード(もちろん無料)が開始されている。また、リリースされたシングル3タイプの付属DVDにも、それぞれ違うメンバーの出演による振りつけ動画を収録。ファン、とくに東京ドームのコンサートに行くという人には、マストアイテムといえるだろう。ぜひ振りを覚えてから、会場へ出かけてください!(近藤正高)