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「ひよっこ」15話。ちょうちんブルマで感動の聖火リレー

みね子は、おとうさん(沢村一樹)への思いを胸に走る。

声援が消えてまったくの無音が12秒ほど。お父さんとの幸せな思い出、お父さんがいなくなってからの悲しい記憶が脳裏に浮かぶ。
「お父さん、みね子は走ってます」
「お父ちゃんのこと考えながら走ってます」
「お父ちゃん、みね子はここにいます」
なんて清らかな思い。
欲望とか邪念いっさいなし。
有村架純、ちょうちんブルマが似合うな、とかそういう俗っぽいことを考えることを恥じいるほど汚れがない。

ナレーションで盛り上げることもなく、いろいろドラマちっくに盛り上げることもなく、みね子の真剣な顔で、つづく。
大事なところは、情感に訴える「ひよっこ」は、けっこう攻めていると思う。
ま、ちょっとだけ、「ニッポンの新しい世代の幕開けだっぺ」と宗男(峯田和伸)による、「日本の原風景」に続いてふたつめの状況説明があるにはあるが。
峯田は銀杏BOYZというバンドのボーカルということもあるのか、吐く言葉に説得力がある。短い単純な、ありふれたフレーズであっても、なんだかいやな感じがしない。彼だから「日本の原風景」とか「新しい世代の幕開け」とか言って許されるのだ。岡田惠和はうまいこと、峯田を生かしている。

こうして、あっという間に、聖火リレーというお祭りは終わってしまった。
おわりに、実際、茨城の旧里美村で、聖火リレーをやった方(荷見さん)の写真が「昭和とりっぷ」のコーナーに出てきて、ああ、実際にあったことなんだと驚く趣向だ。
荷見さんの当時の回想がコチラ荷見さんの当時の回想をどうぞ。

「ひよっこ」には誰もが知っている有名な人は出てこない。でも、こんなふうに、人知れず、ユニークなことを行ったひとたちのことを下敷きにしてドラマをつくることで、たくさんにひとに、彼らの存在とすでに合併してなくなってしまった村の記憶を伝えてくれた。

この聖火リレーには、「ひよっこ」とは“無名戦士たち”の物語なのだという宣言の意味もこもっていたのではないかと思って、胸を熱くした。
(木俣冬)
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家族のために懸命に生きる主人公と個性豊かな登場人物たち、そして笑いと涙のハートウォーミングなストーリーで 最高視聴率22.2%を記録したNHK連続テレビ小説。ヒロインのみね子を有村架純が演じた。2017年4月3日〜9月30日放送。

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