第6週「夏の思い出はメロン色」第45回 5月24日(水)放送より。
脚本:岡田惠和 演出:渡辺哲也 視聴率: %(ビデオリサーチ社調べ 関東地区)前日比

45話はこんな話
海水浴当日、あいにく雨・・・
みね子(有村架純)たちは、時子(佐久間由衣)の提案で、映画「ウエスト・サイド物語」を観に行く。
てるてる坊主(「てるてる家族」を思い出す!)をつくり、明日を待ちわびるが、不穏な劇伴がかかって・・・。
この曲が、実お父さん(沢村一樹)が心配、のときにかかる曲と同じで、ものすごく悪いことが起こりそうな気分になった。
結局、雷まじりの雨で、落胆する乙女たちだったが、幸子(小島藤子)は寮長らしく、前向きに、とりあえず
お弁当をつくろうと皆を鼓舞する。
横並びでサンドイッチつくるところが、工場のラインと重なって可笑しい。
そこへ、雄大(井之脇海)が正義(竜星涼)を連れてやってきた。ちょうど唯一の休日が海水浴の日と重なっていたのだ。
ウエスト・サイド物語
時子が映画「ウエスト・サイド物語」を観にいきたいと提案し、でかける一同。
みんな映画をすっかり気に入って、寮に帰りお弁当を食べながら、シーンを反芻する。
時子とみね子と澄子(松本穂香)が、「ウエスト・サイド〜」の代表的なダンスを真似するところが
楽しい。映画に出かける前に、愛子(和久井映見)が、おぼつかない踊りを披露していて、その曖昧な振付が、ここでようやく明確になる。
「ウエスト・サイド物語」は、雄大が「バーンスタインの作曲」と注目していたが、ミュージカル公演の傑作を映画化したもの。「ロミオとジュリエット」を下敷きにして、時代を現代(出来た当時の現代)に、ふたつの家の抗争を不良グループの抗争に置き換えて、対立のなかで芽生えた恋の悲劇をミュージカル仕立てで描き、大ヒット、アカデミー賞も10部門受賞した。日本では61年に公開されロングランした。
監督のひとりロバート・ワイズは、65年に公開された「サウンド・オブ・ミュージック」も監督している。
このタイトルは、桑田佳祐の主題歌「若い広場」で、「あの日観てた『サウンド・オブ・ミュージック』♪」と歌われているものだ。
映画に夢中になった乙女たちは、この後、「サウンド・オブ・ミュージック」も見に行くだろうか。
正義の魅力が出てきた
みんなでお弁当を食べながら、映画で警察がよく描かれてなかったという話から、正義がなぜ、警官になったかの話になる。
巡査だったお父さんと戦争とに関係していた。
大きな耳を真っ赤にして話す正義。
澄子が投げたおにぎりをナイスキャッチしたところや、
真面目な話をするところで、澄子も、豊子(藤野涼子)も、正義への視線がかなり好意的に見える。
みね子と正義の関係が気になっていたが、澄子や豊子という可能性も出てきたぞ。
正義の見どころの極めつけは、こっそり、ウエストサイドの振付を踊るところ。
結局みんなに観られていた。
44話で、男がコーラスなんて、と堅苦しいことを言っていた正義だが、少し変化の兆しか?
とはいえ、雄大が「同志」と呼ぶことにはまだ抵抗がある。共産主義者は仲間を「同志」と呼ぶので、
雄大、共産主義者説は揺るぎなくなってきた。
そして、海
午後になって雨がやんだ。
夕暮れの海を満喫する乙女と青年ふたり。
青春!
でも、水着、着ないじゃないか!! 水着詐欺じゃないか!
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