というのも1期でやりすぎてしまい、1話目は本当にお蔵入りしたからだ。
そして2期1話。
何の心配もないどころか、1期の中身とファンを茶化すような描写の連発。うーんさすが。安心したよ!

1期「おそ松さん」ファン現象
Aパートは、子どものおそ松たち(モノクロ)が未来の自分(カラー)を見る、という体裁の話。
松野家は中途半端に儲けた感じのビルに改装。熱狂的な女性ファンが、六つ子の握手会に並ぶ。
その有様は、惨憺たるものだった。
おそ松は百貫デブに、カラ松はダンディデブに、チョロ松はオタクのデブに、一松はなぜかガリガリで、十四松はジャバ・ザ・ハットのような超巨大デブに、トド松は王子様デブになっていた。
カラ松は立ち上がることもなく足で握手(?)し、チョロ松はサイリウムで女の子のスカートをめくりまくる。
見るに耐えない……んだけど、女の子たちは妄信的に大喜び。
多数登場する女性ファンは、バッグに缶バッジをたくさんつけ、うちわを持参、マスクも着用。ちょっと猫背。
彼女たちが身につけているのは、松パーカー。
1期放映時に発売された際、初回分瞬殺、再販分も瞬殺という伝説のアイテムだ。
最も熱心だった「おそ松さん」ファンのコア層を、ピンポイントにネタ化してきた。
「おそ松さん」絡みならなんでもありがたがった、という表現はさすがにやりすぎだとは思うが、そのくらいにファンの熱狂っぷりがすごかったのは事実だ。
トト子がろくでもない出来のグッズを高値で売るシーンもひどい。ただ、似たような現象はあった。
オタマートというファンが物品をやり取りするサイトで、福袋的詰め合わせグッズが出品されていたことがあった。ところがおそ松グッズかと思いきや、中に入っていたのは単色無地のつけ爪。
さすがに問題になったが、売る側の主張としては、「色は意識している」とのことだった。
(参考・オタマート、「おそ松さんグッズ詰め合わせ」被害で対応 「受取ボタン押さないで」(ねとらぼ))
トト子が紫色に染めたデッサン人形を「一松くんのフィギュアセット」だと言い張ったシーンは、これと大差ない。
オフィシャルコラボ商品の中には、キャラの色+松の柄だけのグッズが結構出ていたのも思い出される。限界まで削いだ記号化をどう捉えればいいのやら……。
1期の「おそ松さん」現象を、ちょっと悪意もこめていじったネタの数々。
Aパートラストで、「低俗アニメに死を」と鉢巻を巻いた人たちにおそ松たちが蹂躙されるオチでまとめているのもいい。
ファンとスタッフの「酷い低俗なものを作る・見る」という共犯関係が成立しているからこそできる芸当だ。「自己責任アニメ」と7話でおそ松が提唱し、ファンに言われてきただけある。
各所で「クソアニメ」と褒められているのは、単にやりたい放題ブレーキを踏まないだけじゃなく、バランス感覚が優れているからだ。
「ちゃんと」したアニメ
後半は、おそ松たちが、未来にこうはなりたくない、と「ちゃんとする」よう努力する話。
おそ松は働いて、家庭を持つサラリーマンに。カラ松は身体改造をして戦闘できるように。一松は、アメコミヒーローに。
おそ松は一般的な「ちゃんとした人間」の理想像。カラ松と一松は「アニメの主人公としてちゃんとしている」かどうかだ。
面白いのはチョロ松。90年代のことぶきつかさデザインのようなアニメ顔になっており、トト子ちゃんと中身が入れ替わっているという「ちゃんとした」設定で登場する。
このアニメの中では「『君の名は。』=ちゃんとしている、人気が出る」という扱いらしい。
逆を返せば「『君の名は。』みたいなことは『おそ松さん』ではやりません・できませんよ」という宣言だ。
十四松が「STAND BY ME ドラえもん」みたいな3Dになり、トド松は実写に。
一般的な「ちゃんとしている」メディア展開、というネタ。
ちゃんとしたロボのシーンは「物語のお約束」への皮肉だ。つまり「おそ松さん」は2期も、物語づくりにおいて「一般的なちゃんとしたものにはしません」という表明なのかな?
「ちゃんと」炎上しようと頑張っている1話でした。
豪華過ぎるエンディングテーマ
エンディングテーマ「レッツゴー!ムッツゴー! 〜6色の虹〜 早松66。
大槻ケンヂ(筋肉少女帯)、増子直純(怒髪天)、谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)、トータス松本(ウルフルズ)と、「おそ松さん」らしからぬ異常なメンツ。
これはROOTS66 Partyという、1966年生まれ丙午ミュージシャンのセッションユニット。
ソウル色濃いめの、邦楽ファンなら嬉しくなっちゃう曲。是非聞こう。
(たまごまご)
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