連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第3週「恋したい!」第18回4月21日(土)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:田中健二
「半分、青い。」18話「どこの池も湖もボートに乗ったら別れる」恋愛の神様の説得力
「半分、青い。 」上 (文春文庫) 北川悦吏子  5月10日発売
ノベライズはNHK出版から出るとは限らないようだ。たとえば、過去、角川文庫から「ファイト」「青春家族」などが出ている。「青春家族」はカバーが、俳優(上巻は、橋爪功、いしだあゆみ、清水美砂、稲垣吾郎)の写真という貴重さ

18話はこんな話


鈴愛(永野芽郁)は、西高新聞部の小林(森優作)とデートの聖地・明治村でデートすることになった。

山が動くかもしれん


運命の再会かと思ったら、じつは、小林(森優作)は鈴愛のことを見初め、また会えるかもと待ち伏せしていた。何度も声をかけようとして迷って、やっと勇気出せたと言われ、嬉しくなる鈴愛。

だが、自転車で学校に送ると言われ、自転車が苦手だとやんわり断る。2人乗りあるかと思ったら・・・なかった。17話で、菜生(奈緒)に話したことも生かされたわけだ。左耳の失聴は、自分で乗るだけでなく、乗せてもらうのも苦手にしてしまっているらしい。

「こんなにかわいい人見たことない」と言われたと舞い上がる鈴愛に、律(佐藤健)は「猿のくせにと」と冷めている。
なぜ彼らがふたりきりで歩いているか、といえば、菜生の策略だった。
「山が動くかもしれん」「何かがあったらどうにかなるかもしれん」と思っていた菜生。
それには、ブッチャー(矢本悠馬)も同意する。
周囲は、なんかありそうと思っているのに、当人たちはそうじゃないというラブストーリーあるある。

律と鈴愛は、ふたりきりで〈ともしび〉に来て、恋の作戦について語り合う。
律は熱心にアドバイスし、鈴愛は修業する。
女の子はかわいくおとなしいほうがいい。
機関銃のようにしゃべってはいけない。替え玉も頼んではいけない(一回くらいならいい)・・・などなど。
まさこ(ふせえり)が、ぼんやりしか映ってなくても、ちゃんとリアクションしているのが素敵。

「どこの池も湖もボートに乗る別れる。ボートに乗ると結婚するという言い伝えは成立しない」←これは名言だった。「恋愛の神様」と呼ばれる北川悦吏子先生がこう書くと、説得力が違う。

あと、楡野家3代、仙太郎(中村雅俊)、宇太郎(滝藤賢一)、草太(上村海成)のモテ自慢も面白かった。

気分が晴れない律くん


家族そろって鈴愛の初デートを心配するところもほのぼの。
かわいくおしゃれして明治村へ。

その頃、萩尾家では、律が晴れない気分を持て余していた。
佐藤健の、肘をついてぼーっとしている顔と、
「ごちそうさま」のかぼそい声と、
グランドピアノで「ふるさと」を弾く姿と、
なんか鳴った気がして窓を開けるも、鳥の声なのも、
鍵盤に頭を乗せてしまう顔も、すべてがフォトジェニックだ。

でもいろいろ暗雲が・・・


浮かれた日曜日と思いきや、
ぎふサンバランドの流れで、サンバの衣裳300着×4600円、計138万円を買わされたと、五郎(高木渉)が「あの女狐(佐藤江梨子)にそそのかされたんや」と怒る幸子(池谷のぶえ)。けっこう、大変な事態な気がする。


鈴愛は、デートに、付け耳をもって来ていて、それが心配みたいなことを、最近わりとおしゃべりなナレーション(風吹ジュン)が示唆。
つけ耳の金属(?)部分に空が映っていたが、半分以上、雲。だったのは、やはり何か不吉なしるしだろうか・・・。

デートと商店街、どうなるのか、いいところで4週に続く。しかも予告では、新たな登場人物(豊川悦司、井川遥、志尊淳、清野菜名)が続々・・・。
(木俣冬)
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