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二・二六事件はどう描かれてきたか更に検証「パトレイバー」にも登場した事件のイメージ

       
TBSのディレクター・プロデューサーだった久世光彦は、多くのテレビドラマでタッグを組んだ脚本家の向田邦子と、まだそれほど親しくなかったころに一度だけ、二・二六事件をドラマにできないかと話し合ったことがあったという。それは、二・二六事件の首謀者の一人と娼婦の悲恋を描くという話だったが、《いろいろ話しているうちに、何だか『忠臣蔵』の四十八人目の男みたいになってきてやめてしまった》らしい(久世光彦『触れもせで──向田邦子との二十年』講談社)。

1981年に向田が亡くなってから、久世は向田作品をドラマ化して毎年正月に放送するようになるが、そのうちの1作『麗子の足』(1986年)には二・二六事件が出てくる。それは、三人姉妹の長女(田中裕子)と、そのいとこで軍医の青年(永島敏行)が互いに思いを寄せていることに気づきながら、青年が決起に参加、事件後に自決したため結ばれないまま終わるという筋立てだった。本作の脚本は寺内小春で、向田の同名エッセイをヒントにしながらも、久世のこだわりや嗜好が強く反映されていた。

久世は後年、小説も手がけるようになったが、かつて向田と話し合った青年将校と娼婦の悲恋は『陛下』(1996年)という作品に結実することになった。なお、宮部みゆきも『陛下』と同年に、二・二六事件を題材としたタイムスリップ物の長編『蒲生邸事件』を発表し、のちにドラマ化(1998年)もされている。

二・二六のイメージをなぞる


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