連続テレビ小説「なつぞら」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
「なつぞら」148話。家族がついにひとつに。信哉「僕の戦争もやっと終わる気がするよ」

第25週「なつよ、千遥よ、咲太郎よ」148話(9月19日・木 放送 演出・田中正)視聴記録


「堂々と生きていい」
離婚を決意した千遥(清原果耶)がなつ(広瀬すず)を訪ねて来た。最初は会社の裏で話すふたり。千遥の料理となつのアニメを互いに見て、離れていた時間、互いがしっかり生きてきたことを感じたと伝えあう。


話の内容がディープになってきたので、なつはいったん会社を出て自宅に千遥を連れていく。近所の喫茶店とかはもうセットを作れないだろうし、千遥がなつの自宅に招かれるのも、離れていた時間が埋まって良いのかもしれない。

なつの家でゆっくり語り合うなつと千遥。
千遥が、立派な料亭の次男の嫁になったことから話しはじめ、でもいまは夫がほかの女のところにいると言う。

嫁いだ家でよくしてくれたのは、義父。「だしが大事」と語る義父を演じている春海四方は、以前、エキレビ!で自叙伝のレビューをしたこともある。
一世風靡セピアとはなんだったのか。おじさんバイプレイヤー春海四方の青春

嫁ぎ先で義父だけが親切というのは「おしん」と同じパターン。

千遥は「堂々と生きるようになりたい」と言い、ついに「お姉ちゃん」となつを呼ぶ。
「また家族になってくれる」と尋ねる妹に、なつは「自由になっていい 堂々と生きていい また一緒に生きよう」と返す。

「なつぞら」第四回で、幼少のなつが泰樹からもらった言葉はこうだった。
「自分の力を信じて働いていればきっと誰かが助けてくれる」
「だから無理に笑うことはない。
謝ることもない。お前は堂々としてろ。堂々とここで生きろ」

今度はそれを大事な妹に手渡した。
広瀬すずと清原果耶、ふたりのしんみりしたシーン、とても良かった。

会社に戻ってくると、優と千夏が遊んでいる。まるで、幼いときのなつと千遥のように仲睦まじく。
子どもたちに、なつと千遥が姉妹だと明かす、ふたり。
「もう言っていいんだ よかった」と笑う優が微笑ましい。
このあたりは、生き別れになった双子が再会する「ふたりのロッテ」を思い出す。
「なつぞら」148話。家族がついにひとつに。信哉「僕の戦争もやっと終わる気がするよ」

信哉、いいこと言った
親がいない子供とは、こんなにも世間的に不利なのか。
なつたちはその逆境を乗り越えて、みんな立派になった。
最後に残った千遥も、孤児であることを隠して生きなくてはならない人生から脱して、自分らしく生きていく道を選ぶことで、なつたちと家族に戻る。

そのことを喜ぶ信哉。血はつながってないが、戦後を生き抜いた家族だ。
信哉はテレビ記者であることを生かしてか、千遥の婚家の立派な料亭の女将(浅茅陽子)は話せばわかる人らしいという評判を聞いてきた。最後まで、情報屋さんであるが「僕の戦争もやっと終わる気がするよ」と良いセリフをもらった。ネットの一部では「アレクサ」と呼ばれている信哉だが、彼は彼なりに、戦争に終止符を打つために情報屋さんをやってきたのだろう。もしかしたら、いまの仕事を選んだのは、別れ別れになった
家族(なつたち)のことを探したかったからかもしれない。なつが、アニメに自分の名前を出して千遥に合図を送っていたように。彼らの境遇に泣くのではなく、彼らが懸命に生きてきたその熱(なつぞら的に言うと「生きる力」に涙が出る。

148回の不満は、なつの家が「散らかっている」と言うが、全然散らかってなかったこと!
そして、なつぞらアニメーションが相変わらずうますぎて、一般人の投稿に思えないこと! 

【第25週あらすじ】「なつよ、千遥よ、咲太郎よ」 9月16日〜21日


ある日突然、生き別れた妹・千遥(清原果耶)が娘(粟野咲莉)を連れて、なつのアニメ会社を訪ねてくる。娘がアニメ「大草原の少女ソラ」の大ファンだというのだ。28年ぶりに千遥と再会したなつは感極まるが、嫁ぎ先に生い立ちを秘密にしている千遥は、あいさつするとすぐに帰ろうとする。引き止めるなつに、千遥は神楽坂の小料理屋で働いていると明かし、お客としてなら来てもいいと言う。後日、咲太郎(岡田将生)、光子(比嘉愛未)、信哉(工藤阿須加)と店に入ると、出迎えたのは板前姿の千遥だった。
千遥の料理を口にすると、なつたちは料理人だった父の懐かしい味を思い出す。


第149回 あらすじ 9月19日(金)


千遥(清原果耶)からお店を辞めたいと聞いたなつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は、千遥の働く料理屋「杉の子」に向かう。店には、すでに千遥と、千遥の育った置き屋の女将・なほ子(原日出子)が来ていた。千遥やなつは、今日とある決断をしようとやってきたのだ。そこへ扉が開き、「杉の子」女将の雅子(浅茅陽子)と、千遥の旦那である清二(渡辺大)が入ってくる。一同、向き合う中、千遥がポツリポツリと語り出し…。

第150回 あらすじ 9月20日(土)


千遥(清原果耶)にあるものを届けにきた剛男(藤木直人)は、父の手紙が咲太郎(岡田将生)となつ(広瀬すず)と千遥の三兄妹全員に行き届いたことを知り、父の想いが三人に受け継がれたのだと感じる。一段落し、仕事に戻らなければならないなつ。剛男に、夏休みになったら優(増田光桜)と千遥と千夏(粟野咲莉)を連れて遊びに行くと約束する。そんな時、剛男は、最近十勝では、泰樹(草刈正雄)が穏やかになったと話し…。
{木俣冬)

登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。
生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。演劇部に入る。
高校卒業後、アニメーターを目指して東京に出てくる。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。孤児院で働きながら勉強している。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。

柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。勉強ばかりして家の手伝いを全然しない。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
なつをほんとうの家族にしたいと願い、照男と結婚させようとする。

奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院を出て新宿で亜矢美に助けられ、ムーラン・ルージュを経て、浅草の劇場で働いていたが、盗み濡れ衣を着せられ捕まってしまう。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。演劇部。高校卒業後、川村屋に修業に出る。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描いている。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 (31話から)犬飼貴丈 幼少期 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。東京で芸大に通いながらアニメの美術の仕事をしている。なつに絵画の道具を贈った。東洋動画に就職。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。演劇部に入り衣裳を担当する。「白蛇伝説」のラスト、白蛇として登場し喝采を浴びる。
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。演劇部の顧問。「魂」が口癖。なつの問題、十勝の伝承を交えて「白蛇伝説」の台本を書く。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 

19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入り、村長役を略奪する。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。

21回
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。

27回
前島光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン
茂木一貞 リリー・フランキー… 角筈屋社長
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。クラブメランコリーの看板。ムーラン・ルージュにいた。
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員。川村屋社員寮でなつと同室に。咲太郎を「同志」と思っている。
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員。咲太郎のことが好き。「真心を一晩貸したままだから」返してほしいと思っている。

28回
島貫健太  岩谷健司
ローズマリー  エリザベス・マリー…浅草の踊り子

30回
藤田正士 辻萬長  親分
松井新平 有薗芳記 …浅草の芸人
岸川亜矢美 山口智子 …元ムーランルージュの踊り子。咲太郎を助けた。

31回
下山克己 川島明 …新人アニメーター
仲努 井浦新 … 実力派アニメーター

37回
阿川弥市郎 中原丈雄 … 東京から北海道に移住。彫刻で生計を立てている。
阿川砂良 北乃きい… 弥市郎の娘。

44回
杉本平助 陰山泰… 川村屋の料理長

45回
蘭子 鈴木杏樹… 劇団の女優
虻田登志夫栗原英雄… 劇団の俳優

49回
井戸原昇 小手伸也… 東洋動画アニメーター

55回

森田桃代 伊原六花…仕上げ課の先輩、といっても年齢はなつと同じで19歳。あだ名は「モモッチ」
山根孝雄 ドロンズ石本…仕上げ課のえらい人。
石井富子 梅舟惟永…仕上げ課のベテラン。といってもまだ30歳。
大沢麻子 貫地谷しほり…原画スタッフセカンド。周囲に一目置かれている才能あるアニメーター。
おしゃれしているなつを敵視している。
堀内幸正田村健太郎…動画スタッフ 芸大出身で、線画のきれいさには定評がある。

58回
露木重彦木下ほうか…演出家、第一製作課長
山川周三郎古屋隆太…東洋動画スタジオ所長

66回
泉千恵
岡部たかし
池間夏海


脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
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