「スカーレット」79話。フジ「教場」に大島優子、林遣都、狸、登場で驚く。前半を1週1行でまとめてみた
連続テレビ小説「スカーレット」79話。木俣冬の連続朝ドラレビューでエキレビ!は毎日追いかけます

(これまでの木俣冬の朝ドラレビューはこちらから)

連続テレビ小説「スカーレット」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
「スカーレット」79話。フジ「教場」に大島優子、林遣都、狸、登場で驚く。前半を1週1行でまとめてみた

『連続テレビ小説 スカーレット Part1 (1)』 (NHKドラマ・ガイド)

第14週「新しい風が吹いて」79回(1月6日・月 放送 演出・小谷高義)


ドラマがおやすみの間に、年末の「紅白歌合戦」で、越智志帆さんがアカペラから歌い始めた「フレア」とそれを聞く戸田恵梨香さんの表情、素敵でした。

お正月の特番、桜庭ななみさん、福田麻由子さん、黒島結菜さん(これから登場予定)の晴れ着、綺麗でした。

脚本家・水橋文美江さんの夫・中江功さんが監督したフジテレビの「教場」に大島優子さん、林遣都さんなどが「スカーレット」とはまったく違った雰囲気で出演、ある場面には信楽焼の狸の置物が出てきました。


そして、ドラマは折返し。
昭和44年、3年経過。喜美子31歳からはじまります。

暮れにレビューで振り返った1〜13週までを念のため再掲(短縮版)


第1週 昭和22年 喜美子9歳  家族で大阪から信楽に引っ越す。

第2週 昭和28年 喜美子15歳 中学を卒業し、大阪に就職。

第3週 昭和28年 喜美子15歳 大阪の荒木荘で女中見習い。

第4週 昭和30年 喜美子18歳 女中として一人前になり荒木荘を切り盛りする。

第5週 昭和30年秋から暮にかけて。喜美子、初恋と失恋。

第6週 昭和31年 喜美子、信楽に戻り、丸熊陶業で働きはじめる。

第7週 昭和31年 喜美子、火鉢の絵付けに魅入られ、深野心仙の弟子になる。

第8週 昭和34年 喜美子21歳 「信楽初の女性絵付け師ミッコー」として新聞に載る。

第9週 昭和34年夏、丸熊陶業の社長が亡くなり深野組解散。
秋、喜美子の絵付け火鉢が完成する。

第10週 昭和34年秋、喜美子、十代田八郎に陶芸を習いはじめ、彼に恋をする。

第11週 喜美子と八郎、結婚を誓う。

第12週 昭和40年、喜美子と八郎、独立し、男の子も生まれた。

第13週 昭和40年、常治が亡くなる。喜美子はじめて自由に作品を作る。

そして、14週。昭和44年のお正月、フカ先生(イッセー尾形)から年賀状が。年下の人に弟子入りするという斬新な生き方を送るフカ先生とは昭和34年深野組解散以降、年賀状のやりとりが続いている。

朝ドラでよく、途中退場した登場人物との交流がさっぱりないことが気になることがあるが、「スカーレット」はそうではないというサービスか。ちや子さん(水野美紀)も時々出てくるし。
欲をいえば、ほかの荒木荘の面々や台湾に行った草間さん(佐藤隆太)はどうしているんだろう。
いつか朝ドラで、過去に登場したいろんな人たちが送ってきた年賀状を見て楽しむ場面を作ってほしい。

それぞれの変化


「スカーレット」が面白いのは、最初からずーっと同じ家に住んでいて、徐々に家の中の様子が変わっていくところ。
朝ドラは、故郷を出て、やどかりのように住む場所を転々としていくことが多いが、「スカーレット」は一瞬、大阪に行っただけで3ヶ月ずっと住居が変わらない。

昭和22年に家を借り、昭和34年、喜美子が結婚したときに離れを増築、昭和44年には、八郎(松下洸平)が出世し家計も楽になってきて、母屋に便利な家電が増えた。土間にダイニングテーブルセットが置かれ、居間の敷物も立派なものに変わっている。ただまだテレビは買えない。

人間が年をとって変化していくのも面白いが、家の中が変化していくことは面白い。これぞホームドラマという感じがする。

八郎は売れて、弟子をふたりも雇っているものの、創作に悩んでいる。スーツ姿が新鮮だった!
喜美子(戸田恵梨香)は、78回でついに創作に目覚め、陶芸家として活躍しはじめたかと思いきや、3年経っても未だ夫を支え続けている。ただ、創作は続けていることが後でわかる。
武志はやんちゃに成長。

マツ(富田靖子)はすっかり元気になって、小学校のお母さん合唱団に参加する。


百合子(福田麻由子)は……

信作と百合子はどうなる


百合子はいつの間にか、信作(林遣都)と飲む仲になっている。
サニーでコーヒー飲めばいいみたいな無粋なことを喜美子が言うと、百合子が話題を変えるところも妙味だ。

夫婦の時間


照子「ハチさんの10歩も20歩も後ろ下がってんねんなあ?」
喜美子「ほやで。100歩くらい下がってるわあ」
佳織「結婚したら後ろ下がるんは当然やで?」
照子「喜美子にしたら信じられんことやで」

こういうおばちゃんたちの会話、リアルだなあと思う。

喜美子は自分が作りたいものを作っているものの、日常が下がって下がって、夫と子供を優先しているようだ。
夫の夜食のおにぎりに顔をつけるという創意工夫をして、食べると「痛い」と声を出して、ひととき楽しむ。

「僕な、この時間が一番好きや」と八郎。
おにぎりを食べながら、いま、思っていることを話す八郎。それに耳を傾ける喜美子。

どういうものを作っていいか悩む八郎に「ず〜っと見てても飽きない」ものがいいと喜美子は言う。

たぶん、「スカーレット」も飽きない会話、飽きない情景を目指して描いているんじゃないだろうか。
(木俣冬 タイトルイラスト/まつもとりえこ)

登場人物(週の終わりに更新していきます)


●川原家
川原喜美子…戸田恵梨香 幼少期 川島夕空  主人公。中学卒業後、大阪の荒木荘に女中として就職。三年働いた後、信楽に戻り、丸熊陶業初の女性絵付け師となるが、絵付け火鉢が下火になり、陶芸の勉強をはじめる。
陶芸の先輩・八郎と結婚。主婦と陶工を両立させていたが、創作に目覚める。

十代田八郎 → 川原八郎…松下洸平 8人きょうだいの末っ子。父母は亡くなっている、京都の美術大学出身。丸熊陶業の新商品開発の仕事に携わり、喜美子と結婚(婿入り)。陶芸家として独立。昭和40年、金賞を受賞。

川原武志…又野暁仁 喜美子と八郎の長男。

川原常治…北村一輝 戦争や商売の失敗で何もかも失い、大阪から信楽にやってきた。気のいい家長だが、酒好きで、借金もある。口は悪いが、娘たちを溺愛し、喜美子の結婚に猛反対するも、体を壊すほど働いて離れを建てるという愛情を見せるも、そのまま弱って膵臓と肝臓癌を患い、昭和40年死亡。

川原マツ…富田靖子 地主の娘だったが常治と駆け落ちして結婚。
体が弱く家事を喜美子の手伝いに頼っている。ぼんやりして何をしているのかよくわからないながら、なぜかなくてはならない存在感を放っている。

川原直子…桜庭ななみ 幼少期 やくわなつみ→安原琉那 川原家次女 空襲でこわい目にあってPTSDに苦しんでいる。それを理由にわがまま放題。東京の熨斗谷電機の工場に就職。父の葬式にも出ず、大阪で商売をはじめると宣言する。

川原百合子…福田麻由子 幼少期 稲垣来泉→住田萌乃 末っ子でおとなしかったが、料理もするようになり、直子が東京に行くと気丈になっていく。家庭科の先生になるため短大進学を目指すが、結局就職する。

●熊谷家
熊谷照子…大島優子 幼少期 横溝菜帆 喜美子の幼馴染で親友。喜美子とは幼いときキスした仲。信楽の大きな窯元・丸熊陶業のひとり娘。学徒動員で戦死した兄に代わって家業を継ぐため、京都の短大を卒業後、婿をとる。
四人の子供の母となる。

熊谷秀男…阪田マサノブ  信楽で最も大きな「丸熊陶業」の社長。娘には甘い。昭和34年、突然死。
熊谷和歌子… 未知やすえ 照子の母。敏春を戦死した息子の身代わりのように思っている。
熊谷敏春…照子の婿。 京都の老舗旅館の息子。新商品開発に意欲を燃やす。先代の突然の死により
社長となり、八郎に期待を賭ける。照子には優しい夫。

●大野家
大野信作…林遣都 幼少期 中村謙心 喜美子の幼馴染。子供の頃は心身共に虚弱だったが、祖母の死以降、キャラ変しモテるように。高校卒業後、役所に就職する。早く結婚したかったが、来る者拒まず交際しても、毎回うまくいかない。

大野忠信…マギー 大野雑貨店の店主。信作の父。戦争時、常治に助けられてその恩返しに、信楽に川原一家を呼んでなにかと世話する。大手雑貨店の影響で雑貨店からカフェに商売替えする。

大野陽子…財前直見 信作の母。川原一家に目をかける。マツの貯金箱を預かったことで離婚の危機に直面するが一件落着。カフェサニーをきりもりしている。

●信楽の人たち 
慶乃川善…村上ショージ 丸熊陶業の陶工。陶芸家を目指していたが諦めて引退し草津へ引っ越す。喜美子に作品を「ゴミ」扱いされる。

工藤…福田転球  大阪から来た借金取り。  幼い子どもがいる。
本木…武蔵 大阪から来た借金取り。
…中川元喜  常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。
博之…請園裕太 常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。

所沢…牛丸裕司 信作の上司
黒岩次郎…上野俊介 幼少期 溝上空良  信作の幼馴染 お見合い大作戦に参加する。

田畑よし子…辻本みず希 お見合い大作戦に参加、信作に好意を寄せるが、9対1で嫌いと振られる。

佐久間 …飯田基祐 美術商。信楽にジョージ富士川を呼ぶ。

●信楽 丸熊陶業の人々
城崎剛造…渋谷天外 丸熊陶業に呼ばれて来た絵付け師。気難しく、社長と反りが合わず辞める。
加山…田中章 丸熊陶業社員。
原下…杉森大祐 城崎の弟子。
八重子…宮川サキ 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。
…西村亜矢子 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。
西牟田…八田浩司 丸熊陶業の中堅社員。

深野心仙…イッセー尾形  元日本画で戦後、火鉢の絵付け師となる。喜美子を9番目の弟子にする。
若社長の代になり、長崎の若手陶芸家・森田隼人に弟子入りすることにする。
池ノ内富三郎…夙川アトム 深野の一番弟子。深野組解散にあたり、京都に就職。
磯貝忠彦…三谷昌登 深野の二番弟子。深野組解散にあたり、大阪に就職。

藤永一徹…久保山知洋 陶器会社で企画開発をやっていて、敏春に雇われる。
津山秋安…遠藤雄弥 大阪の建築資材研究所にいて、敏春に雇われる。

森田隼人…長崎の陶芸家。深野が弟子入りを申し込む。

柴田寛治…中村育二 窯業研究所の所長
橘ひろ恵…紺野まひる 窯業研究所所員 喜美子の花の描かれたカップを気に入る。

●大阪 荒木荘の人々
荒木さだ…羽野晶紀 荒木荘の大家。下着デザイナーでもある。マツの遠縁。
大久保のぶ子…三林京子 荒木荘の女中を長らく務めていた。喜美子を雇うことに反対するが、辛抱して彼女を一人前に鍛え上げたすえ、引退し娘の住む地へ引っ越す。女中の月給が安いのでストッキングの繕い物の内職をさせる。
酒田圭介…溝端淳平 荒木荘の下宿人で、医学生。妹を原因不明の病で亡くしている。喜美子に密かに恋されるが、あき子に一目惚れして、交際のすえ、荒木荘を出る。
庵堂ちや子…水野美紀 荒木荘の下宿人。新聞記者だったが、不況で、尊敬する上司・平田が他紙に引き抜かれたため、退社。女性誌の記者となり、琵琶湖大橋の取材のおり、信楽の喜美子を訪ねる。
田中雄太郎…木本武宏 荒木荘の下宿人。市役所をやめて俳優を目指すが、デビュー作「大阪ここにあり」以降、出演作がない。

●大阪の人たち 
マスター…オール阪神 喫茶店のマスター。静を休業し、歌える喫茶「さえずり」を新装開店した。
平田昭三…辻本茂雄 デイリー大阪編集長 バツイチ 喜美子の働きを気に入って、引き抜こうとする。
不況になって大手新聞社に引き抜かれた。
石ノ原…松木賢三 デイリー大阪記者
タク坊…マエチャン デイリー大阪記者
二ノ宮京子…木全晶子 荒木商事社員 下着ファッションショーに参加
千賀子…小原華 下着ファッションショーに参加
麻子…井上安世 下着ファッションショーに参加
珠子…津川マミ 下着ファッションショーに参加 
アケミ…あだち理絵子 道頓堀のキャバレーのホステス お化粧のアドバイザーとしてさだに呼ばれる。

泉田工業の会長・泉田庄一郎…芦屋雁三郎 あき子の父。荒木荘の前を犬のゴンを散歩させていた。
泉田あき子 …佐津川愛美 圭介に一目惚れされて交際をはじめる。

ジョージ富士川…西川貴教 「自由は不自由だ」がキメ台詞の人気芸術家。喜美子が通おうと思っている美術学校の特別講師。昭和40年、信楽に実演会を行いにやって来る。

十代田いつ子…しゅはまはるみ 八郎の姉 大阪で髪結いをしている。

草間宗一郎…佐藤隆太 大阪の闇市で常治に拾われる謎の旅人。医者の見立てでは「心に栄養が足りない」。戦時中は満州にいて、帰国の際、離れ離れになってしまった妻・里子の行方を探している。喜美子に柔道(草間流柔道)を教える。大阪に通訳の仕事で来たとき喜美子と再会。大阪には妻が別の男と結婚し店を営んでおり、離婚届を渡す。東京に住んでいたが、台湾に貿易の仕事に行くことに。

草間里子…行平あい佳 草間と満州からの帰り生き別れ、別の男と大阪で飯屋を営んでいる。妊娠もしている。

脚本:水橋文美江
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
音楽:冬野ユミ
キャスト: 戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、桜庭ななみ、福田麻由子、佐藤隆太、大島優子、林 遣都、財前直見、水野美紀、溝端淳平ほか
語り:中條誠子アナウンサー
主題歌:Superfly「フレア」
制作統括:内田ゆき
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