「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」
2019年5月にデビューしたレヴィ・エリファ。魔物と人間の間に生まれた亜人で、人間と魔物が仲良くなることを願って、配信活動を始めた。普段の可愛らしい声と、パワフルな歌声とのギャップも大きな魅力

にじさんじ初の生バンドARライブにレヴィ・エリファも出演

100人以上の人気バーチャルライバー(VTuber)を擁する「にじさんじ」初の完全AR生バンドライブ『にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”』を、7月31日(土)と、8月1日(日)の2日間にわたり開催する。

本ライブは、「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社が開発したARソフトウェアにより、にじさんじのバーチャルライバーと、生身のミュージシャンが現実世界で共演。臨場感あふれる新感覚のライブステージを作り出す、というもの。
無観客で開催され、全47都道府県の75会場(映画館)でライブビューイングも行われると同時に、ニコニコ生放送でも配信。15名のにじさんじライバーが真夏の日本全国をさらに熱くする!

エキレビ!では、この注目のライブのDay1(7月31日)で、念願の大規模ライブイベント初出演を果たす亜人の少女レヴィ・エリファにロングインタビュー。2019年5月のデビュー当時から変わらない歌に対する熱い思いや、念願だった3Dの身体を手に入れて圧巻のパフォーマンスを披露した7月16日の3Dお披露目配信の裏話などを前後編にわたってじっくりと語ってもらった。なお、亜人のため、ライバー活動を通して現在も日本語勉強中のレヴィの言葉は、文章化する際に一部調整している(例:「ベーチャルライバー」→「バーチャルライバー」)。

「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」
『にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”』のメインビジュアル。DAY1には、レヴィを含む全8名、DAY2には、月ノ美兎ら全7名の人気ライバーが出演。両日とも全編、生バンドのライブとなっている

常に新しいことにチャレンジしている2年間だった

──『にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”』(以降、『LIGHT UP TONES』)の出演が決まったときの感想を教えてください。

レヴィ 「やっと、ライブに出られる!」という気持ちでした。ボクは、これまで3Dの身体を持っていなかったので、こういったライブイベントに呼んでいただける機会がなかなかなかったんです。
だから、先日の3Dお披露目の日程がだいたい決まったのと同時期に、このライブのお話もいただけて、待ちに待った目標が二つ一緒に叶ったような気持ちでした。

──やはりライブへの出演は、バーチャルライバーとして活動を始めた頃からの目標だったのですか?

レヴィ 音楽をメインにバーチャルライバー活動をしていきたいとはずっと思っていて。それこそ、にじさんじの面接のときから、「いつか大きなステージでライブがしたい」ということは、ずっと伝えていました。

──では、2年越しの目標だったのですね。2019年5月にデビューして以降の約2年間は、レヴィさんにとっては、どのような時間でしたか?

レヴィ 最初から音楽をメインにやりたいとは言ってきたのですが、VTuberの中でも特ににじさんじのバーチャルライバーさんは、ゲーム実況や雑談などをメインに活動している方が多いですよね。でも、ボクは、それまで歌以外のことをあまりやってこなかったので、初めてやるようなことがすごく多かったんです。
リスナーの皆さんとトークしたり、ゲームをやったり、常に新しいことにチャレンジしている。そういう2年間だったなと思います。

──パワフルで表現力豊かな歌唱力だけでなく、トーク力の高さもレヴィさんの魅力だと思います。VTuberの中には、実は意外と人見知りだったりする方も多いのですが、レヴィさんは、どうですか?

レヴィ もともと、「物怖じしない」とか「人懐っこいとか」とかはよく言ってもらえていたので、お話するのが苦手とかでは全然ないです(笑)。ただ、にじさんじのライバーさんは100人以上もいるので。それだけ多くの方といろいろ関わっていく機会なんて、なかなかないことだし、「誰に声をかけたらいいのかな?」とか、「誰とどんなことをしたら楽しい配信になるのかな」とか、いろいろと悩んじゃったりもして。


実際には、あまり上手に自分から声をかけたりはできてないかも。どちらかと言えば、声をかけてくださった方に付いていって、わちゃわちゃと楽しんでる感じだと思います。

自分の好きなものを突き詰めても、リスナーさんは喜んでくれる

──これまでに行った配信の中で、特に想い出深い配信を教えてください。

レヴィ ちょっと戦略的な話になるのですが、ゲーム実況って、基本的には、そのときに人気のゲームをやるのがいいと思うんです。

──その方が、幅広い層の人が観てくれる可能性は増えるでしょうね。

レヴィ だから、最初の頃、ボクも人気のゲームをやったこともあるのですが、それを観てくれたみなさんに、すごく盛り上がってもらえたかというと、そうでもなかったかなと感じたことがあったんです。だけど、ボクが好きなゲーム、しかも、かなり古いゲームをやったときには、それを喜んでくれるリスナーさんがすごく多かったんですよ。


──それは、和製ホラーゲーム『SIREN』の実況配信の話ですね。

レヴィ はい。そのとき、すごくビックリしたと同時に手応えみたいなものを感じて。自分の好きなものを突き詰めていくというやり方でも、ちゃんとリスナーさんは喜んでくれるんだってことがわかったんです。あの配信は嬉しかったですね。

あと、『いらすとやさん』というサイトの素材(イラスト)を使って、にじさんじのライバーさんを表現してみる企画(後に『いらすとやdeにじさんじ』としてシリーズ化)も、たくさんの人が観てくれて、面白いと言ってもらえるので嬉しいです。


──毎回、「この素材が、このパーツになるんだ」という発想に驚き、笑っています。

レヴィ ボクがすべてを考えているのではなくて、リスナーさんがコメントで「この素材はどう?」とか教えてくれるのですが、みんなの発想が天才なんですよ(笑)。「いらすとや」の配信には、2000人くらいの人が観に来てくれるので、2000人の知恵が集まることで本当に面白いアイデアが出てきます。

──文字通り、リスナーと一緒に作る配信なのですね。

レヴィ そういった感覚が特に強い配信だし、すごく楽しいです。

「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」
最近は、にじさんじの仲間の3Dお披露目を盛り上げるため、お披露目配信当日に、そのライバーをいらすとやの素材で表現する配信も実施。7月21日には、『LIGHT UP TONES』で共演する町田ちまを作りあげた

──もしかしたら、リスナーと一緒に配信を作るという楽しさがあることは、バーチャルライバーを始めるまで、想像していなかったのでは?

レヴィ たしかに、そうかもしれません。
自分がバーチャルライバーになる前は、作る側と、それを観る側って完全に分かれているものだと思っていたんです。

──配信者が楽しいことを提供して、リスナーがそれを楽しむという、一方通行の構造だと思っていたんですね。

レヴィ でも配信活動って、配信者とリスナーさんの両方が作って、両方が提供するみたいな相互関係があるんです。特に、VTuberは、その傾向が強いのかなって思いました。それは、自分がバーチャルライバーになったからこそ知ったことだし、すごく楽しいと思ったところでもあります。

美兎先輩との『SIREN』実況がいろいろなことに繋がった

──にじさんじのファンの中には、「委員長」こと月ノ美兎さんとの『SIREN』実況のコラボをきっかけに、レヴィさんの魅力を知った人も多かったと思います。委員長さんとのコラボも、レヴィさんにとって大きな出来事だったのでは?

レヴィ 大きかったです。あのコラボでボクを知ってくれた人もたくさんいるし、切り抜き動画とかで話題にもしてもらえたし。『SIREN』をきっかけに美兎先輩ともちょっと距離が近づいて、一緒にご飯を食べに行ったり3Dお披露目配信でゲストとして出演していただいたりとか、その他にも、いろいろなことに繋がっていきました。

──最初のきっかけは、委員長さんが『SIREN』の実況中、上手くゲームを進められず困っているときに、当時はまだ全然交流のなかったレヴィさんがコメントでアドバイスをしたことですよね。

レヴィ 『SIREN』って本当に難しいゲームで、「次はこういうことをしてくれ」みたいな目標も示されないまま始まるので、配信中の美兎先輩も「次に何をやったらいいのか分からない」って困ってる場面がめちゃくちゃ多くて。このままだと、美兎先輩は『SIREN』を嫌いになってしまうかもしれないと思ったんです。でも、『SIREN』は、本当に楽しいゲームだから、ぜひ最後まで楽しんでいただきたいという思いでコメントをしました。

──自分の好きなゲームを楽しんでほしいという気持ちでコメントしたのですね。

レヴィ その気持ちが、普段、他のライバーさんになかなか声をかけられない自分に活を入れてくれて(笑)。「こうした方がいいと思います……」とかコメントをしていたら、その配信で上手く進んで、美兎先輩や美兎先輩のリスナーさんも喜んでくれたんです。それで、「通話とか繋いで、ボクが教えたりすることもできるので、もし今後も必要だったら、いつでも言ってください」みたいなお話をしました。

──そういう経緯で、続きの配信からはコラボという形で、プレーをする月ノさんに「レヴィ師匠」がアドバイスを送り、好プレーは褒めまくるという微笑ましい師弟関係が生まれたのですね。

レヴィ そもそも、ボクが『SIREN』の実況をやっていなかったら、美兎先輩に話しかけることはできなかったし、いまだにお話もできていないかもしれません(笑)。『SIREN』をやっていて良かったです。

「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」
レヴィと月ノが食事に行ったときのエピソードは、「【漫画】友達に内緒で可愛い服を買った女子の話【マンガ動画】【アニメ】にじさんじ☆ぷちさんじ VTuber」として切り抜き動画になっている

──『SIREN』の作中で登場人物たちが謎の世界に迷い込む「異界入り」の日が8月3日ということで、昨年のこの時期には、シリーズ第3作『SIREN:New Translation』の実況をされていました。今年の夏も『SIREN』企画の予定はあるのですか?

レヴィ もちろんです! 今回は、にじさんじ内だけではなくて、にじさんじ外の方も含めて、できたらいいなと思っています。

3Dお披露目はもっとリスクの少ないプランでやることも考えた

──レヴィさんと言えば、にじさんじの中だけでなく、VTuber界全体の中で見ても歌唱力の高い「歌ガチ勢」というイメージを持っているVTuberファンは多いと思います。歌枠配信などで歌っている曲のレパートリーも非常に幅広いですが、にじさんじに入る以前も含めて、特に好きなジャンルなどを教えてください。

レヴィ アニソンはずっと好きで聴いてきました。ただ、どちらかと言えば、ボクは昔のアニソン、90年代から2000年代初頭あたりの歌詞の中にアニメのタイトルが出てくるような感じのアニソンの方が好きなんです。最近のアニソンは、ちょっとお洒落な感じの曲も多いですよね。

──人気J-POPアーティストの曲がタイアップとしてアニメ主題歌になることも多いですね。

レヴィ もちろん、そういった曲も好きなんですけど、どちらかと言えば、昔のゴテゴテなアニソンの方をよく聴いていました。リスナーさんからのコメントでは、最近のアニソンのリクエストもあるので、どんな曲なのか聴いて、覚えたりもしています。

──リスナーのリクエストに応えることで、増えたレパートリーもあるんですね。

レヴィ はい。3Dお披露目でも歌った『怪物』とかもそうですね。

──特に好きなアーティストを教えてください。

レヴィ ずっと変わらずポルノグラフィティさんです。J-POPのアーティストさんだけど、アニメとタイアップしたアニソンもたくさん歌っているし、そういう意味でも、ボクの好きなポイントにピッタリ合うんです。歌い方とかも、かなり影響を受けています。いつか何かの形でご一緒できるようになれたらと思っています!

──7月16日の3Dお披露目では、ポルノグラフィティの代表曲「ミュージック・アワー」も歌って、ポルノのライブ恒例の「変なおどり」も再現していましたね。

レヴィ はい。絶対にやりたいと思っていました(笑)。

──ここからは、3Dお披露目について伺いたいと思うのですが、開幕、トロッコに乗って登場し、観客エリアの通路を移動しながら歌うというパフォーマンスには驚きました。しかも、全編、生バンド。大きなホールでリアルライブを観ているような感覚でした。3Dお披露目で、こんなにも大がかりなライブをやりたいということは、ずっと考えていたのですか?

「にじさんじ」レヴィ・エリファ、夢の初ステージは完全AR生バンドライブ「待ちに待った目標が叶った」
7月16日に配信された3Dお披露目配信「【#レヴィ3D】亜人、3Dになル【にじさんじ/レヴィ・エリファ】」。3Dの身体を手にして、カッコ良さと可愛さの両方がさらにパワーアップしたレヴィの姿が楽しめる

レヴィ リスナーさんたちのことを長く待たせてしまった分、3Dお披露目に対するみんなの中のハードルがすごく上がっているのを感じていたんです(笑)。たぶん、ボクの歌枠とかを観てくれている人の多くが「2Dの今もライブみたいな雰囲気で歌っているのだから、3Dになったら絶対にすごいライブをしてくれるだろう」とか思ってくれていたのかなって。

その高いハードルを越えるためにも、ライブ形式にしなくちゃいけないと思ったし、バンドさんと一緒にやった方が絶対に良いライブになるだろうと思っていました。ただ、3Dの身体でバンドと一緒にライブをするのって、技術的にもすごく難しいことだし、あまり言えないこともあるのですが、いろいろと必要なことも多いんです。

──にじさんじ所属のバーチャルライバーで初めて、生バンドと一緒に3Dお披露目配信を行った「加賀美社長」こと加賀美ハヤトさんは、「7ケタ円」の費用を負担したと発言されていました。技術的な意味だけでなく、金銭的な意味でもハードルが高いことのようですね。

レヴィ 言ってしまうと、そうなんですよね(笑)。そういう事情もあって、実はすごく迷ってもいたんです。「そんな大きなことをやって、失敗したらどうしよう」とか、「それをやったところで、本当にリスナーさんの期待に応えられるんだろうか」って。もっとリスクの少ないプランでやることも考えはしました。

──そういった迷いもある中で、負担やリスクも覚悟で、あの大がかりなライブをやろうと決意した理由を教えてください。

レヴィ コロナ禍の中、たくさんのイベントやライブが中止や延期になってるじゃないですか。そろそろできるのかなと思ったら、また緊急事態宣言が出て、やっぱりできませんみたいなことになったり。

でも、ボクは「バーチャルライバー」なのだから、そんな情勢の中でも、バーチャル空間でならライブをできる。それなのに、なぜやるかやらないかで迷ってるんだろうって思ったんです。自分の負担とか、度胸とかのちっぽけなことを気にしてる場合じゃないなって。ボクが「バーチャルライバー」である強みをいちばん見せられるのはここだし、やるって選択肢しかないよなと思って決心しました。

それに、例えば、さっきお話ししたポルノグラフィティさんのようなプロのアーティストさんだったら、「リアルではライブができないから配信でやりましょう」という話になったとき、「でも初めてだし、失敗が怖いからなあ……」みたいなことは思わないはず。だったら、ボクも挑戦しようという気持ちになりました。
(丸本大輔)

※インタビュー後編はこちら

イベント概要

『にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”』

■出演者
・DAY1:樋口楓/緑仙/花畑チャイカ/町田ちま/ジョー・力一/夢追翔/レヴィ・エリファ/加賀美ハヤト
・DAY2:月ノ美兎/剣持刀也/叶/ドーラ/魔界ノりりむ/葛葉/椎名唯華

■開催日時
・DAY1:2021年7月31日(土)17:00 開演
・DAY2:2021年8月1日(日)17:00 開演

■イベント公式サイト
https://event.nijisanji.app/arstage_lightuptones/

■主催
ANYCOLOR株式会社

有料配信(ニコニコ生放送)チケット情報

■チケット料金
・各日チケット:6,250円(税込)
※「Go To イベント」適用により 5,000円(税込) で販売
・通しチケット:11,000円(税込)
※「Go To イベント」適用により 9,000円(税込) で販売

■購入期限
・DAY1:2021年8月13日(金)23:59
・DAY2:2021年8月14日(土)23:59

■タイムシフト視聴期限
・DAY1:2021年8月14日(土)23:59
・DAY2:2021年8月15日(日)23:59
※生放送終了直後からタイムシフト視聴可能
※視聴期限までは何度でも視聴できるが、視聴期限を過ぎるとタイムシフト視聴中でも視聴不可になります

■購入ページ
【DAY1】 にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”
【DAY2】 にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”
【2日間通しチケット】

ライブビューイング チケット概要

■チケット料金
6,000円(税込) 全席指定

■チケットの購入方法や会場などの詳細
https://event.nijisanji.app/arstage_lightuptones/
※ライブビューイング限定の来場者プレゼントあり

(C)ANYCOLOR, Inc.


Writer

丸本大輔


フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。

関連サイト
@maru_working