We♡SMAP #18|伝説のSMAP「27曲45分03秒ノンストップライブ」を詳細レビュー
イラスト/おうか

ずっとSMAPが好き♡ SMAP特集

2014年のSMAPはシングル2作をリリース。4月9日『Yes we are/ココカラ』、7月16日『Top Of The World/Amazing Discovery』、アルバムは9月3日に『Mr.S』を発表した。そしてアルバムリリースの翌日、9月4日から約2年ぶりのコンサートツアー『Mr.S "saikou de saikou no CONCERT TOUR"』がスタート。
東京ドームを皮切りに、全国5カ所22公演が行われた。

【前回レビュー】We♡SMAP #17|中居正広が明かした、故・今井雅之との“確執”エピソード 2011年のSMAP

両A面シングル『Top Of The World/Amazing Discovery』の制作陣が豪華。「Top Of The World」ではいしわたり淳治が作詞を、作曲はMIYAVI、編曲はCMJKが手がけた。「Amazing Discovery」は、中田ヤスタカ(CAPSULE)が提供と、どちらも華やかさとトレンド、そして刺激が上手にミックスされたSMAPらしい楽曲。


さて、2014年といえば、7月26日から放送された『武器はテレビ。 SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)だろう。28回目の総合司会はSMAPの5人が務めた。雑誌のインタビューでも、放送前後はもちろん、1年の振り返りでもこの番組について触れていたように、SMAPにとってもファンにとっても大きな思い出の一つとなった。

番組では生前葬から解散をテーマにしたドラマまで、特番ならではの変化球のオンパレード。子どもの頃からSMAPがいるのがあたりまえで、彼らを目にするのが生活の一部のようになっていただけに、葬式や解散なんて一ミリも考えたことがなかった。まずそのことに気づかされた。視聴率も20%台をマークと、記録にも記憶にも残る番組だ。


伝説の「27曲45分03秒ノンストップライブ」

中でも特に印象的だったのが「27曲45分03秒ノンストップライブ」。番組開始から25時間が経過した27日の夕方。突然の夕立を経て、SMAPがステージに立つ頃には雨があがり、無事に決行。なんと“もってる”人たちなのだろう。

華やかな白をベースにゴールドの装飾が輝く、豪華衣装で登場した5人。体の動きにあわせて揺れる様が美しい。ライブは「Battery」(2013年)からスタート。この年にリリースしたばかりの「Top Of The World」(2014年)をはじめ、「Mistake!」(2013年)と比較的新しい楽曲をオープニングにもってきた。続いて「SHAKE」(1996年)、「ダイナマイト」(1997年)と90年代にリリースした楽曲にシフト。楽曲が色褪せないことに驚きつつも、“ノンストップライブ”と銘打っただけに、止まることなく歌い、踊り続ける姿に胸を打たれた。

途中、体調不良で肩で大きく息をしていた中居正広。4曲目あたりから水分補給を行い、呼吸を整えていた。8曲目あたりまではアップテンポの楽曲が続き、振付も激しさを増していた。
9曲目「夜空ノムコウ」(1998年)で少々トーンを落としたものの、木村拓哉と中居の2人でオーディエンスの視線を集める12曲目「A Song For Your Love」(2003年)。裏にはけてもおかしくない様子の中居だが、ダンスにいっさい手を抜かずに踊り切った。途中座ったりステージからはけた中居をカバーするかのように、立ち位置を少し変えたり、大きく手を叩いて盛り上げたりとさりげなくフォローするメンバー、15曲目「世界に一つだけの花」(2003年)では声を出せずにいた中居に代わりに、ファンが歌声でつないだ。

見せ場を逃さずステージに立った中居、流れる汗をそのままに弾ける笑顔を貫いた木村、香取慎吾も口角がキュッとあがった慎吾ちゃんスマイルをみせ、普段はクールな稲垣吾郎も汗だくで奮闘。時折みせるさわやかな笑顔がカッコよかった。草なぎ剛はメンバー5人を歌った「CRAZY FIVE」(2012年)で涙していた。ライブの最後はデビュー曲の「Can’t Stop!!‐LOVING」(1991年)。

この様子を後の「オリスタ」(2014年9月15日号)で語っていた。

中居「大変でした。死ぬかと思いました(苦笑)。とくにライヴに関しては、自分でも無様だったな、と。準備はしたつもりだったんですけど」と回顧。
「今回は、シンプルに汗をかいているカッコいいSMAPをお見せしたいと思っていたんですよ」と、前半に躍動感あるナンバーを持ってきたと明かした。

「『まだやるの?』『まだあるの?』って畳みかけられるような、追い込まれていく感じが、僕自身好きなんでしょうね(笑)その方が会場の雰囲気も一緒にヒートアップする感じが直に伝わってくるので。ノンストップライヴの最後も『 BEST FRIEND』で終わることもできたんですけど。もっとクタクタにならないとダメだ、と思って『Can’t Stop!!‐LOVING』にして」



奮闘するSMAPに、27時間テレビの番組内で笑福亭鶴瓶がこんな言葉を寄せていた。

「SMAPというジャンルがいま出来上がっている根本は、根っこが変わらない、変わることを恐れない。そして新しいことをなんぼでもやっていこうとする力っていうのはあいつらにしかできないこと。あいつらはきっと、自分がクタクタでも誰かが元気になれると思ったらやり続けるやろうし、そこがSMAPのすごいところ」

番組で発表されたSMAPのコンサートツアー『Mr.S "saikou de saikou no CONCERT TOUR"』。5大ドーム全22公演を行った。

多忙を極めた1年をメンバーが振り返る

27時間を終え、アルバムリリースにツアーがスタート。ツアー中ではあったが、早くもライブDVDが発売。「オリスタ」(2014年12月25日号)では1年を総括するインタビューが掲載された。



1年の活動をざっと振り返り、メンバーの新たな発見は?の問いに、木村は「ノンストップライヴが終わった瞬間、メンバーと素直に肩が組めたことかな。
演出ではなく、ごく自然にね」
と回答。ナゴヤドームでは中居と木村の衣装が逆になるハプニングも。「ふと中居の二の腕が目に入って、“こいつこんなに白いんだ!?”ってところで」と二の腕ではたと気づいたという。

SMAPの武器は?と聞かれた稲垣は「楽曲」と回答。「今回のアルバム『Mr.S』もそうだけど、やっぱりいい歌を歌っていないとここまでくることはできなかったですから」。楽曲提供者が歌った方がいいのでは?と思ったこともあるが、「でも、託してくれるってことは、それだけ信じてくれているのかなって。そういった意味では、この“27時間テレビ”の青とにスタートした、2年ぶりのツアーがあったのも、この1年では大きかったです。ファンの方の反応がすごくて」

2014年を振り返って印象の残ったこととしてコンサートを挙げた草なぎ。「僕らの原点だなと、心から思っています」。ライブについても「すごく盛り上がった」とファンの様々な反応を受けて「素晴らしいなぁ」とコメント。「とくに感じたのはSMAPの優しい空気が流れているということ。
それはやっぱり、長い時間を共有してこないと生まれない空気感」


香取は5人の活動が多かった2014年について、「いつもいつも激しいんですけど、今年も激しかったなと」と回顧。舞台『オーシャンズ11』の楽屋に27時間のスタッフがやってきて、メイクと着替えをしながら打ち合わせ。そのまま舞台に出演していたことを明かした。相変わらずの多忙ぶりだ。印象に残った

SMAPの武器は?にSMAPのリーダー中居は「SMAPが5人でいること。それが最大の武器じゃないですかね。1人ずつよりも5人でいること、それが最大の戦力であり、最大の自身になる。僕も5人いればなんとかなるだろうと思っているとこがあって、いつもSMAPのときは、他の4人に委ねて、しがみついてる感じです(笑)」

ドラマ、バラエティ、司会、歌、ダンスとなんでもやってのけるSMAP。それでも自分たちでハードルをあげて追い込むーー結成27年目、アイドルの枠組みをどどんと広げて開拓してきた道には後輩たちが続いている。
(柚月裕実)

※次回最終回の更新は1月10日(月)21時予定! レビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013
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