今回のニュースのポイント
大企業・製造業の景況感は4期連続の改善:2026年3月調査の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが+17となり、AI関連需要や円安が景気を下支えしています。
設備投資計画はプラス圏でのスタート:2026年度の設備投資計画(全産業)は前年度比でプラスを維持。
コスト増と人手不足が継続的な重石:中東情勢の緊迫化による原油高や、供給制約をもたらす人手不足が、特に中小企業の景況感や先行き判断に影を落としています。
日本銀行が4月1日に公表した3月調査の「全国企業短期経済観測調査(短観)」によれば、企業の景況感を示す業況判断DIは、大企業・製造業で前回調査から1ポイント改善の「+17」となり、4期連続の改善を記録しました。一方、大企業・非製造業の業況判断DIは「+36」と前回調査から横ばいで、高水準を維持しながらも先行きに対してはやや慎重な見方も出始めています。
業種別に見ると、製造業ではAIサーバーやデータセンター向けの旺盛な半導体需要、および円安に伴う輸出採算の改善が追い風となっています。対照的に、非製造業では中東情勢の緊迫化によるエネルギーコスト増への懸念から、一部の業種で慎重な見方が強まりました。中小企業においては、製造業が「+7」、非製造業は「+16」となっており、大企業に比べてコスト増や人手不足の影響をより強く受ける二重構造が鮮明になっています。
景気回復の鍵を握る「賃上げ」については、企業の意欲は依然として高い状態にあります。民間調査によれば、2026年度に賃上げを見込む企業は6割超に達し、ベースアップ(ベア)を予定する企業も5年連続で高い水準を維持する見込みです。賃上げの理由として「労働力の定着・確保」を挙げる企業が多く、深刻な人手不足への対応が賃金押し上げの主要因となっています。ただし、収益力が限られる中小企業では、十分な賃上げ幅の確保が課題となっており、企業規模による格差も顕在化しています。
2026年度の設備投資計画は、大企業で製造業が前年度比+2.7%、非製造業が+3.6%といずれもプラスでのスタートとなっており、全体として堅調な推移が見込まれます。
今後の見通しについて、専門家は「緩やかな回復」が続くと予測していますが、下振れリスクも無視できません。中東情勢の長期化に伴う物価高や、米国の通商政策を巡る不透明感、さらには供給制約をもたらす人手不足が警戒されています。新年度の景況感は、外部環境の荒波をこなしながら、内需の柱である「消費と投資」をいかに持続できるかが問われる段階に入っています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)

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