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本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台『川辺市⼦のために』が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された⼈気の舞台が映画化となった。本作は、先だって行われた第28回釜山国際映画祭(10月4日-13日)、第36回東京国際映画祭(10月23日-11月1日)にも正式出品され、国内外の評価も高く、「市子のことが頭から離れない」「心に突き刺さる」などの感想が続々と上がっており、ますます注目が集まっている。
痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのは杉咲。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現し圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。さらに、市子の恋人・長谷川を演じるのは、若葉竜也。
いよいよ来週、公開を迎える映画『市子』。その公開を前に、先日開催された釜山国際映画祭の期間中に撮影された主演・杉咲花の特別インタビュー映像を解禁。杉咲自身、「光栄な時間でした」と振り返るほど充実感のあった釜山国際映画祭での様子、また撮影中の裏話などを公開。
コンペティション部門であるジソク部門に選出された釜山国際映画祭で、ワールドプレミアを迎えた本作。
そんな釜山国際映画祭、続いて出品された東京国際映画祭を含め、公開に先駆け本作を鑑賞した人々からは、絶賛の声が続々と上がっている。杉咲の元にもその声は届いているようで、「市子っていう人がまだ心の中にいるって言ってくださる方がいて。何かがその方の中に響いたんだなって思えてグッときたんですけど、身近な存在として観てくれたってことなのかなと思って嬉しかったですね。」と話し、「市子の存在がその人の中に残るというのは、演じた自分としては“よかった”と一言で言えることではないんですけど、残っていてくれてホッとしますね」と、市子の存在が観客の心に深く刻みこまれたことに喜び、安堵している様子。
本映像では、杉咲自身も完成した作品を初めて観た際の気持ちを明かしており、「(恋人・長谷川を演じた)若葉さんはこんな表情をしていたんだとか自分が出ていないシーンの登場人物の方たちの表情を見ながら、市子をこんな風に眼差していてくれていたんだなと、その眼差しが多様だったのが印象的ですね」と、劇中同じ出演シーンがなかった登場人物たちがそれぞれ抱く市子像やその表情に心動かされたことを語った。
また、杉咲は「普段お芝居をしていると演じ手の視点としてこういうシーンになったらいいなとか、いい表現ができたらいいなみたいな俳優としての欲が出てきてしまうんですけど、実際にカメラの前に存在している市子はそんな風には思ってはいないはずだから、その欲をなるべく落としていきたいなっていう感覚はありながらもすごく難しいこと。でも、今回は隠したいって思えば思うほど、感情が出てきてしまう瞬間に出会ったりとか自分がどうなってしまうかわからない怖さが本番中にあったりして、そういうのは初めてだったので、市子がものすごく自分に近づいてきてくれたような感覚があって忘れられないと思いますね」と撮影時の気持ちを振り返り、あらためて杉咲花の本作に対する熱量を感じさせる内容となっている。
【ストーリー】
川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に訪れたのは、市⼦を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、⻑⾕川の⽬の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。
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