プロレス界の“レジェンド”藤波辰爾が主宰する「ドラディション」は22日に後楽園ホールで藤波のデビュー55周年記念イヤー第一弾大会「NEVER GIVE UP 2026 PHASE‐1」を開催する。

 藤波は1970年に日本プロレスに入門。

1971年5月9日、岐阜市民会館で新海弘勝(北沢幹之)戦でデビューした。以後、師匠のアントニオ猪木さんが設立した新日本プロレスに旗揚げから参加。ジュニアヘビー級で時代を切り開き、長州力との名勝負数え歌、前田日明との激闘、猪木さんに反旗を翻す飛竜革命、1988年8・8横浜文体での猪木さんとの伝説の60フルタイムなど新日本プロレスの黄金時代を築いた。

 99年には新日本プロレス社長に就任。2006年に退団し無我ワールド、そして現在のドラディションに至るまでメインイベンターとしてマット界に揺るぎない歴史を培ってきた。

 昨年12月に72歳となり今月、デビュー55年を迎えたドラゴン。記念日となった9日は埼玉・川越市の丸広百貨店川越店でジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さんのデビュー65周年を記念した特別企画「ジャイアント馬場・アントニオ猪木 デビュー65周年記念『BI砲展』」でトークイベントを行った。

 5・22後楽園を目前に控え、スポーツ報知の取材に応じた藤波は、ふるさとの大分・国東でプロレスラーになることを決意した15歳の春を「学校の先生から『夢みたいなこと言うな』と怒られてね。でも、自分の中ではプロレスに入りたい…それしかなかった。誰が何と言おうと自分の夢を実現させたかった」と振り返った。

 55年前のデビュー戦を「試合前は心臓バクバクで足が地に着かず…どっかに倒れそうだった。ソワソワというか…うれしいのはうれしいんだけど複雑な気持ちだった」と目を細めた。

身長178センチ、体重は70キロにも満たなかったデビューから様々な激闘を経てたどり着いた55年を「信じられないことばかりでウソみたいなことばかりだった」と表現し、今の心境をこう明かした。

 「振り返ると自分はプロレス界に入るために生まれてきたんだと思います。僕の人生はプロレスに救われた。プロレスラーになってなかったら自分はどんな人生だったか…そう考えると恐ろしいですよ」

 だからこそ、もしも55年前の自分に言葉を贈るなら「我慢しろ。頑張れ」のふたつだという。

 「初めて(ジャイアント)馬場さんと(アントニオ)猪木さんにお会いした時にかけてもらった言葉が『頑張れよ』でした。僕が憧れ続けた2人からもらった言葉がずっと支えになりましただからこそ『頑張れよ』の言葉を贈りたいですね」

 デビュー記念日の今月9日。自身の「X」に一枚の写真をアップした。それは、日本プロレスに入門して間もないころ、猪木さんのかばんを持って歩く丸刈りの自身と猪木さんだった。

 「僕は、下関で北沢さんを頼って入ったんだけど、この写真は、調べると、その後に巡業で行った福井駅です。正確に言えば、このころは入門の許可もらってない。北沢さんが『このかばんを持て』と言われて、猪木さんのかばんを持って巡業についていった。

他のレスラーは、僕が猪木さんのかばんを持って歩いているから、誰も何も言えなかった。そういう環境を作ってくださった北沢さんには今でも感謝しています」

 猪木さんのかばんを持った日々を「猪木さんの背中しか見てなかったですね。とにかく、猪木さんの後ろを歩くだけで満足。夢見てるみたいでした」とほほ笑んだ。

 

 それから激動の55年。メモリアルマッチは一切の感傷、ノスタルジーを断ち切った。今の新日本プロレスを席巻する「H.O.T」を率いる成田蓮との一騎打ちに挑む。記者会見をボイコットし、対決を拒否し続けた成田へ藤波は、新日本プロレスの5・3福岡大会へ乗り込み成田へ対戦を承諾させた。

 「正直、博多まで行かなければいけない状況になったこと自体、成田のふてぶてしさに対してはらわたが煮えくり返る思いがある。ただ、彼は彼で今、『成田蓮』というレスラーを確立させ、新日本プロレスの中でトップに立とうとしていると思う。だからこそ、僕に対しても、あれだけふてぶてしい態度で出て来たんだろう」

 悪の限りを尽くす成田だが、福岡でのボルチン・オレッグ戦を目撃し印象は変わった。

 「あのボルチン戦は、いい試合だった。

あの日のベストバウトだった。彼はあれだけの試合ができる実力がある。だからこそ、僕もやりがいがあるし、さらに火をつけてもらった」

 試合は、無法行為も含め藤波にとって過酷な一戦が予想される。

 

 「彼は好勝負をやる気はないでしょう。1分でも2分でも早く僕を潰したいだろうと思う。だけど、僕は72歳になって、すべてを犠牲にしてでもプロレスが好きなんだよという気持ちをぶつけたい」

 そして、こう続けた。

 「普通は、余力を残して引退するんだろうけど、僕はすべてを使い果たしたい。ネバー・ギブアップの魂でリングに上がります」(福留 崇広)

 ◆5・22ドラディション全対戦カード

 ▼メインイベント スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負

 

藤波辰爾 VS 成田蓮

 ▼セミファイナル 45分1本勝負

LEONA VS 高橋裕二郎

 ▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負 

長井満也、小島聡 VS 船木誠勝、諏訪魔

 ▼第3試合 タッグマッチ 20分1本勝負 

黒潮TOKYOジャパン、AKIRA VS ハヤブサ、MAZADA

 ▼第2試合 20分1本勝負

倉島信行 VS 関本大介

 ▼第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負 

竹村豪氏、三州ツバ吉 VS 鈴木敬喜、長井隆之介

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