フィリピンを代表する醸造メーカー、サンミゲル社の黒ビール「セルベッサ・ネグラ」が、健康志向の愛好家の間で再び注目を集めている。近年の研究では、一般的なラガービールに比べ、黒ビールには人体に有用な成分が豊富に含まれていることが明らかになってきた。


その他の写真:ダバオ営業所

 最大の特徴は、深い色合いを生み出す焙煎麦芽にある。この焙煎過程で生成される「メラノイジン」には強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去して細胞の老化を防ぐ効果が期待される。米国ウィスコンシン大学の研究チームは、黒ビールの摂取が心臓疾患リスクを低減させる可能性を報告。実験では、黒ビールを飲んだ際の血液は血栓ができにくく、これは麦芽由来のフラボノイドが血管の柔軟性を保ち、動脈硬化予防に寄与するためとされる。

 さらに、セルベッサ・ネグラには鉄分やマグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群が凝縮されている。特に鉄分は淡色ビールよりも有意に多く、貧血予防や疲労回復に役立つ。適量のアルコール摂取が善玉コレステロールを増やすことは知られているが、黒ビールの場合はこれに加え、豊富な食物繊維が腸内環境を整える働きも果たす。

 もちろん、恩恵を享受するには節度が欠かせない。夕食時に330mLの瓶を1本、ゆっくり味わうことで、精神的なリラックスと科学的に裏付けられた健康効果を両立できる。濃厚なコクと苦味を備えたセルベッサ・ネグラは、嗜好品の枠を超え、賢明な大人が選ぶ「健康に資するビール」としての地位を確立しつつある。

 さらに味わいの面でも、セルベッサ・ネグラは特筆に値する。口に含むとまず香ばしい麦芽の香りが広がり、続いて深いコクが舌を包み込む。
後味にはほどよい苦味が残り、脂っこい料理やグリル肉との相性が抜群だ。甘みと苦味のバランスが絶妙で、ゆっくり飲むほどに味の層が変化し、飲み手を飽きさせない。まさに「食事とともに楽しむ黒ビール」として生活者の晩酌に寄り添う存在だ。

 しかし、フィリピンのビール市場では依然としてラガーが約8割以上を占め、黒ビールのシェアは数%程度にとどまっている。セルベッサ・ネグラは数少ない黒ビールブランドとして存在感を放つものの、一般消費者の認知度は低く、プレミアム志向やクラフトビール愛好家に限られているのが現状だ。残念なことは、フィリピン市民の中でセルベッサ・ネグラの効能を知る人は、極めて少数派だ。

 ミンダナオ島ダバオ市トリル地区では流通量が少なく、ビール会社の営業所まで行かないと入手困難だ。価格は24本で1,702ペソ。
【編集:Eula】
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