経済誌「Forbes JAPAN」が発表した「日本の起業家ランキング 2019」の栄えある第1位に、宇宙ベンチャー「アストロスケール」の岡田光信CEO(最高経営責任者、45歳)が輝いた。2018年11月26日、授賞式が開かれた。

同社は世界で初めて、宇宙に漂う人工衛星やロケットの破片などの「宇宙ゴミ(スペース・デブリ)」の除去を事業ミッションに掲げる。Forbes JAPANが、「グローバルで活躍できるか」「時価総額1000億円を超えられるか」「成功への時間軸を重視した事業の実績・成長性」「経営者・経営チームの成熟度」「社会課題解決に取り組んでいるか」――の5点を選定基準に、日本経済をけん引し、新しい日本をつくる起業家を選んだ。

「宇宙ゴミ」を除去、グローバル社会に貢献

Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング」は、「新しい日本」をつくる存在として、日本経済をけん引する起業家を応援する、をコンセプトに2015年から開催している。

日本の起業家ナンバー1に選ばれた「アストロスケール」の岡田光信CEOは、東京大学卒。元大蔵省(現財務省)に勤めたのち、経営コンサルティングに従事。さらにIT業界に転身後、約10年間をグローバル経営者として活躍した。

幼少より宇宙好きで高校1年生時にNASAで宇宙飛行士訓練の体験をして以来、宇宙産業への思いが強く、2013年に同社を設立した。17年11月には、ロシアのロケット「ソユーズ」に宇宙ゴミの観測衛星を載せて打ち上げ。失敗したが、その後も2020年に予定している、新たな宇宙ゴミの回収衛星の開発を進めている。

第2位には、ダウンロード数累計3500万超のニュース閲覧アプリ「SmartNews」を運営する、スマートニュースの鈴木健氏と浜本階生氏。3位は、Eコマースプラットフォーム「BASE」などを手がける、BASEの鶴岡裕太氏が選ばれた。

起業家ランキング2019のベスト10は、以下のとおり。

1位 岡田光信(アストロスケール)
2位 鈴木健、浜本階生(スマートニュース )
3位 鶴岡裕太(BASE)
4位 南壮一郎(ビズリーチ)
5位 坂野哲平(アルム)
6位 名越達彦(パネイル)
7位 寺田親弘(Sansan)
8位 佐々木大輔(freee)
9位 長谷川潤(Omise)
10位 中島徳至(Global Mobility Service)

過去のランキングでは、「メルカリ」の山田進太郎氏(2015?2017年に第1位)や、印刷や物流のシェアリングプラットフォームを運営する「ラクスル」の松本恭攝氏(2018年の第1位)などの起業家を選出。入賞後に株式の上場を成し遂げている起業家も多い。