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TBSのまさしく救世主となった2作のドラマ。視聴率42.2%を記録した「半沢直樹」、2015年最大の話題作となった「下町ロケット」。ともに手がけたのはプロデューサー ・伊與田英徳、演出・福澤克雄、脚本・八津弘幸である。
まさにヒットメーカートリオと呼ぶにふさわしい。そのうちプロデューサー ・伊與田英徳と脚本・八津弘幸が組んで製作したのが12月28日放送の「赤めだか」である。
「赤めだか」は、今、最も支持されている落語家、立川談春の同名ベストセラーが原作である。談春から見た異能の師、立川談志とのまさに、理解不能の師弟愛を描く。
プロデューサー ・伊與田英徳氏は、あっと驚くキャスティングをして、見る者に「ああ、そういう使い方もあったか」と納得させる。つまり、視聴者をねじ伏せる力を持っている。
「半沢直樹」では、白水銀行の融資部次長、油山哲也にTKOの木下隆行、不正献金に手を染める小村建設元会長に、もとレツゴー三匹の逢坂じゅん。
「下町ロケット」では、佃製作所の顧問弁護士、神谷修一にホンジャマカの恵俊彰、フリージャーナリスト、咲間倫子に高島彩、北陸医科大教授心臓外科医、一村隼人に今田耕司、白水銀行から出向した佃製作所経理部長、殿村直弘に立川談春。
このキャスティング力はおそらく沢山のテレビを見て、無数の芸人たちの舞台を見たからこそ、養われていることが容易に想像できる。