行き先を知らないまま全国に連れて行かれた芸能人の旅人が、田舎を歩きながら、自分で何をするかを決めていく『田舎に泊まろう!』(テレビ東京系、2003~10年。現在は不定期放送)。
この番組の唯一にして最大のルールが、「ホテルや旅館はNG。泊まっていいのは、地元の人の家だけ」というものですが、「タレントさんがお願いすれば、すぐに宿など見つかるのでは?」と思いきや、そこは苦労の連続なのです。

はるな愛さんが同番組の生放送スペシャルで“お泊まり交渉”をした時には、番組放送時間内には宿泊先が見つからなかったものの、ロケ中に「うちにおいで」と言ってくれた人を思い出し、番組中に「泊めて下さい!」と呼びかけを実施。放送終了後にその夫妻が迎えに来てくれて一泊させてもらい、その様子は後日別途放送されました。

一方、2012年に放送された「3.11再会スペシャル」では、IKKOさんが震災前の収録で泊めてくれたおばあちゃんに再び会いに岩手県遠野市を訪ね、無事おばあちゃんとの感動の再会を果たしたものの、お泊まり交渉をすると、なぜか今度は「今日は泊めね!」と頑なに拒否。最終的にはIKKOさんの度重なるお願いの末、宿を提供してくれましたが、すんなりいい話で終わらなかったのは、さすがテレ東です。

そして、この番組のガチンコぶりを実証したのは、お笑いタレントの石田靖さん。鹿児島県桜島町新島を訪れた石田さんは、全員に宿泊を断られ、結局廃屋で野宿することになりました。このほか、旅人が名乗っても「あんた誰?」と不審がられ、己の知名度のなさに「まだまだですね……」と気落ちする光景は、この番組ではすっかりおなじみのシーン。この予定調和の無さが、番組の魅力になっているようです。

◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)

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