俳優の佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画『名無し』の公開記念舞台あいさつが23日、都内で行われた。佐藤が、同作の着想を得た瞬間について「5年前、二子玉(二子玉川)に家族で3人行って。
妻と息子がラーメン食べている間、ダイエット中の僕は食べられず。なんとなく歩いて、公園で家族やみんなが遊んでいるのを、なんとなくボーッと見ていた時に思いついた話なんです」と明かした。

 同作は、触れたものを消し去る異能を持つ“名前のない怪物”と化した男の希望と絶望、そして狂気を描くサイコバイオレンス。佐藤は、不可解な無差別殺人事件を引き起こす“名無し”を演じる。

 佐藤といえば、映画『爆弾』での熱演も記憶に新しいが、共演者の佐々木蔵之介は「(公開が)始まる前に、いろんな話を聞くじゃないですか。『二朗さん、今回怖い役やられるんですね。この間の爆弾も怖かったし、狂気ですね』っていうのを聞きながら、今さら何を言っているのって、オレは思っているの」と熱弁。

 続けて「オレは25年前から、二朗はずっとおもしろかったけど、狂気をもった芝居を見ているし。オレは知っているぞみたいな(笑)。今さらかという思いをずっと思っていた。その時から、ええ役者やなと思っていて、コメディもシリアスも同じ地平にあり。間合いとかでも、それがコメディになるのかホラーになるのか…なんで。
そういうのを勝手にずっとふつふつと思っていて、ここしばらくそういううわさを聞いていました」との思いを打ち明けた。

 そんな佐藤は、自身の中にある“怪物”について「2年前に舞台の戯曲を書いて。主演に宮沢りえちゃんを迎えたんですが、それを見に来てくれた鴻上尚史さんがXに書いてくれたことがあって。『二朗さんの芝居を見ていて、蜷川幸雄さんの言葉を思い出しました。蜷川さんは若い俳優たちに「心に怪獣を飼え!決して安住するな」と言っていました。二朗さんの心の中には、きっと怪獣がいて、それが出てこないように四六時中ふざけてひょうきんなことをしていると思ったんです』という文があって。自分では意識していないんですけど、そうなのかなって」と話していた。

 舞台あいさつにはそのほか、丸山隆平(SUPER EIGHT)、MEGUMI、城定秀夫監督も登壇した。
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