遺影写真作成サービスのアスカネット(広島市)は、葬儀会場で参列者が受付端末を通じてキャッシュレスで弔意を示すことができる新たなサービスの提供を、5月からスタートした。葬儀会場の受付でのキャッシュレス決済サービスは、同社調べでは全国初の事例という。
コロナ禍でも普及が加速したキャッシュレス決済。同社は3月に、過去5年以内に葬儀または告別式に参列し、香典を渡した経験のある20歳以上69歳以下の男女300人を対象に、キャッシュレス決済についてのアンケートを行った。それによると、日常生活では約84%がキャッシュレス決済を利用している一方、直近の葬儀では約89%が香典を現金で支払っていた。
キャッシュレスでの弔意表現については賛否が分かれる一方で、アンケートで「選択肢としてあってもよい」「条件によっては受け入れられる」と回答した人は約半数に上ったという。抵抗感を持つ層でも、「遺族の意向が明示されていること」「葬儀社からの正式な案内があること」などの条件が整えば、受け入れられる可能性があることが明らかに。喪主・遺族の立場としても、約7割が導入に対して一定の許容姿勢を示し、「現金と併用できる形」での導入が鍵となることが分かったという。
同社は、このような生活や意識の変化と、葬儀の慣習の間にあるギャップを課題として捉え、静岡県伊豆市の葬儀会社、有限会社みずぐち(「葬儀・家族葬のミックホールみずぐち」)の協力を得て、今回の取り組みをスタートしたという。利用者には「事前準備(香典袋・記入)が不要」「突発的な参列でも対応可能」、葬儀社には「現金管理業務の削減」「未回収リスクの低減」、喪家には「受付対応の負担軽減」「葬儀費用との調整が可能」といったメリットがある。
アスカネットでは、2017年に葬儀社向けWEBサービス「tsunagoo(つなぐ)」の提供をスタート。訃報配信や供花・供物の注文、オンラインでの香典受付などを通じて、葬儀のDX化を支援してきた。オンライン香典受付(キャッシュレス)は、遠方の人や家族葬のために参列できない人などを中心に利用されてきたという。今回のサービススタートにより、「tsunagoo」で訃報を配信する際に併せて事前案内をし、葬儀会場でもキャッシュレスで香典を供えるスタイルを可能にした。
開発者のアスカネット・フューネラル事業部企画開発室課長の青砥剛氏は、「故人への弔意の気持ちは、いつの時代も変わることのない大切なもの」とする。その上で、「その気持ちを伝える手段や受付方法は、時代とともに多様化していくべきだと考えています。手続きがより簡便になることで、ご遺族の負担が軽減され、大切な方をしのぶ時間をより多く確保できるようになります。また、葬儀社の業務負担を軽減することで、ご遺族へのサポートにより多くの時間を充てることが可能となります」としている。











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