※本稿は、森由香子『60歳から食事を変えなさい』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
■老化を遅らせる体内物質NADを増やす
誰もが避けて通ることができない、老化。
確かに、どんなにがんばっても、老化を完全に止めることなどできません。でも、もしも“老化を遅らせる体内物質”があるとしたら、少しでもそれを増やしておくにこしたことはないはずです。
それが、毎日の食事法を少し工夫するだけでできるとしたら、皆さん、すぐにでも実行したいと思いませんか。
そんな画期的な食事方法にふれる前に、まずは“老化を遅らせる体内物質”について、解説しておきましょう。
健康寿命を伸ばすとされるサーチュイン遺伝子については、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。2000年に発見されたもので、老化を遅らせる“夢の遺伝子”として、医学の世界やマスコミで大きな話題になりました。
サーチュイン遺伝子は誰もが持っているもので、この遺伝子の活性化により合成される酵素サーチュインには、からだを老けさせる活性酸素を除去し、脂肪を燃焼させ、動脈硬化や糖尿病、さらに認知症も防ぐ力があるとされています。
そして、この酵素サーチュインを活性化させる物質として、近年注目を集めているのが、私たちが生きていく上で欠かせない体内物質のひとつ、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)です。
つまり、NADを増加させることで、私たちは長寿遺伝子から作られる酵素サーチュインを活性化させることができるのです。
■エネルギーを作り出せる朝食がポイントに
問題は、どうやってNADを増やすか。
もっとも重要なポイントは、生体リズムを整えることです。そもそもNADは人が生きて活動する上で欠かせない物質であるため、サーカディアンリズムと呼ばれる1日の生体リズムにそって、寝ている間は減り、昼間の活動期は増えるからです。
もうひとつのポイントは、エネルギーを作る良質のたんぱく質、適量の脂質や糖質が含まれる朝食をしっかりとって、午前中にNADを増やすことです。
そこで、皆さんにおすすめしたいのが、朝食を、主食、主菜、副菜の組み合わせでバランスのとれた食事にして、エネルギーをしっかり作り出せるメニューにすること。
一般的に、栄養豊かでエネルギーがしっかりとれる食事といえば夕食、もしくは昼食という方が多いでしょう。朝食はコーヒーとトーストだけ、シリアルとジュースだけ、あるいは、ごはんとインスタントみそ汁と漬物だけなど、粗食にしてしまっている方は少なくありません。
しかし、これでは十分な栄養もエネルギーもとれません。
粗食になりがちな朝食を、バランスがとれて、しかもエネルギーがしっかり確保できる食事にすることで、NADの体内での活性を高めることができるのです。
朝は忙しくてなかなか準備が大変だと思いますが、前日の夜や週末に作り置きをしたり、缶詰などを上手に使って、ぜひ、豊かな食卓を心がけてみてください。
■「就寝前の牛乳やヨーグルト」は大間違い
老化により私たちに押し寄せてくる体調の変化はさまざまありますが、非常に多く聞かれるのが、「寝つきが悪くなった」「眠りが浅くて夜中に何度も目が覚める」「朝早く目覚めてしまう」といった、睡眠障害です。
これは、加齢により“睡眠のホルモン”と呼ばれるメラトニンの分泌量が下がることが大きな原因と考えられ、そのほか加齢による体内リズムの変化や、日中の活動量の低下なども関係しているようです。
でも、睡眠に悩みをお持ちの方のお話をうかがっているうちに、私はあることに気づきました。
昔から、「眠れないときはホットミルクを」とよく言われていたので、就寝前に牛乳を飲んだほうがよく眠れると思い込まれているのかもしれません。
また、寝る前にお腹がすいてしまった場合、ヨーグルトならからだの負担にならないだろうと考えて食べている方や、翌日のお通じのために良かれと思って食べているという方もいらっしゃいました。
しかし、残念ながら、これらはいずれも正しくありません。よく眠るためには、とにかく就寝前は、何も食べないにこしたことはないからです。
牛乳もヨーグルトも乳製品なので、いずれも脂肪分が含まれています。脂肪分はすぐには消化されないため、ベッドに入ってからも胃腸は消化活動を行うことになります。
その結果、脳が寝ようとしても、からだは消化活動を続けなくてはならないため、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を落とす原因になると考えられるわけです。
■中高年の寝る前の飲食は胃腸に負担がかかる
ですから、熟睡するためには、少なくとも寝る3時間前には何も食べないようにして、胃が落ち着いてから寝ることをおすすめします。
特に中高年になると、若い頃と比べて胃腸のはたらきが弱りはじめているので、寝る前の飲食は胃腸に負担がかかり、それがストレスとなって眠りに影響を及ぼします。
また、就寝中の胃腸のはたらきも弱くなっていますので、就寝直前に何か食べてから寝ると、胃酸も逆流しやすくなり、胃もたれや胃のむかつきを起こす可能性が高くなります。
私も一度、寝る前にヨーグルトを食べてみたのですが、翌朝胃がもたれているのを実感しました。
それに、牛乳やヨーグルトは水分が多いので、寝る直前に飲み物を飲んでいるのと同じことになり、トイレに行きたくなる可能性も高くなります。
いずれにせよ、寝る前の飲食は、おすすめできません。
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森 由香子(もり・ゆかこ)
管理栄養士
日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科人間生活科学専攻)修士課程修了。2005年より、東京・千代田区のクリニックにて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。また、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などを行う。抗加齢指導士の立場からは、“食事からのアンチエイジング”を提唱している。『おやつを食べてやせ体質に! 間食ダイエット』(文藝春秋)、『1週間「買い物リスト」ダイエット』(青春出版社)など著書多数。
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(管理栄養士 森 由香子)

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