※本稿は、神田正『日高屋 10人中6人に美味しいといわれたい』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■“平成・令和の屋台”日高屋レイアウトの秘密
ハイデイ日高創業者兼会長の神田正は新業態「日高屋」を立ち上げた時、屋台ラーメンの特徴を捉えたレイアウトを導入している。屋台の横並び席は3人座ればいっぱいだ。暖簾に身体をすっぽり入れて、屋台をテーブルに見立てて、ラーメンを食すスタイルだ。
屋台の右側に、もう2人分の席がある場合もあるが、後は1人掛け用の丸椅子が置いてあって、テーブルなしで食すスタイルだ。
混んでいる時は立ち食いで食すこともある。そのせいか、屋台ラーメンのスープの温度は、ヤケドするような熱さではなく、少しぬるめに作ってある。
そのほうが5分前後の短時間で食べ終えるので、「回転率」がよくなる。屋台ラーメンの生命線は、回転率で稼ぐところにある。神田は、「日高屋」に、回転率で稼ぐ屋台ラーメンのレイアウトを導入した。
比較的テーブル席の多かった「来来軒」の“昭和的ラーメン店”スタイルから脱皮し、カウンターがある1人客対応の「回転率」のよい、“平成・令和の屋台”といわれた日高屋の特徴が出てくるのだ。
■売上がよくなかった場合は、即撤退して移動
特に駅前の狭い店では、カウンター席を中心に用意しているケースもある。店舗は駅前・繁華街・乗換駅など、高回転が見込める立地に集中した。「都市型立地戦略」が確立し、「都市生活者の食のインフラ」としての役割を意識したレイアウトになっているのである。
「日高屋の店舗の形態は1フロア30坪で約40席を基本として、午前11時から翌午前4時までなど、営業時間を長く設定、2交代制で売上を稼いでいます。1座席が1日平均で12~13回転するので、売上高営業利益率は10%以上が安定的に得られます。
出店の際には土地を保有せず、物件の賃貸契約期間を3年程度と短くして、売上がよくなかった場合は、すぐ撤退、近所にいい物件があればすぐに移ります。屋台のような身軽さが信条です。出店費用も数千万円で済みます」(神田)
神田は屋台ラーメンの継承を大切にしている。
基準に満たない30坪以下の駅前一等地の物件などでは、カウンター席を中心としてテーブル席も配置している。
屋台は基本的に横に並んで3人掛け、後は丸椅子でテーブルなしが基本だ。立ち食いもある。「日高屋」は屋台方式のレイアウトによって、1人客でも、気軽に利用しやすくなっている。
■「常識の逆をいく経営」で一部上場へ
深夜には水商売など夜職の人たちの来店が多い。そういう大繁華街には、駅前一等地への出店に続いて、例えば新宿、渋谷、池袋、上野、それに地元の大宮などのターミナル駅、大繁華街には7~10店舗以上、「ドミナント展開」するケースがある。
夜職の人たちが、ビール・酒などを飲み、居酒屋づかいができて、ラーメンや餃子、チャーハンなどで腹を締めて帰るケースが多いからだ。
熱烈中華食堂「日高屋」は家賃が坪5万円以上もする、都内の山手線や中央線沿線の駅前一等地に出店しても、午前11時~翌朝4時営業、24時間営業などの深夜営業をして顧客の回転率が上がれば、損益分岐点を超して利益が出るような仕組みになっている。
まさに常識の逆をいく経営といえる。
2005年(平成17年)4月、株式会社ハイデイ日高は東京証券取引所市場(以下、東証)第二部に上場、翌2006年(平成18年)8月に第一部に指定、その後、市場区分見直しによって市場一部からプライム市場へ移行した。
■社会インフラとして地域活性化に貢献
神田は2023年(令和5年)2月、創業50周年の節目を迎え、将来の目指すべき方向性を、「社会インフラとして地域活性化に貢献する」と定めた。
中期経営計画「Hiday 500 ローリングプラン2024」を策定、2025年(令和7年)4月には同「Hiday Challenge」を策定したが、表紙に「社会インフラとして地域活性化に貢献する」と明記した。
ハイデイ日高は2021年(令和3年)、2022年(令和4年)のコロナ禍で、合計63億円の赤字を計上したが、政府からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金と内部留保が厚かったおかげで、ことなきを得た。この2年間で、駅前一等地でもアルコールビジネスにリスクがあることを学んだ。
今後も「駅前一等地戦略」に変わりはないが、コロナ禍を機に、ロードサイドに出店(ロードサイド戦略)したら、「餃子の王将」(株式会社王将フードサービス)や「幸楽苑」(株式会社幸楽苑)などと競合する局面も増えてきた。
ロードサイド店は、ドリンクバーを開設した駐車場付きの店舗は好調で、60店舗展開する勢いだ。
■「駅前が明るくなった」「夜も安心」という声
神田がコロナ禍でもう1つ仕掛けたのが「ポツンと一軒家戦略」である。
これまで乗降客2万人の小さな駅には出店しなかったが、地元の強い要望で出店したら、これが「日高屋ができてよかった!」と大変な人気だという。
「出店して夜遅くまで営業していると、『夜も明かりが点いていて治安がよくなった』と喜ばれます。また、日高屋は“ちょい飲み”が売りです。居酒屋づかいができるので、仲間が集まりやすいのも利点です。
ロードサイド出店もそうですが、日高屋を1店舗出すとアルバイト・パートさんだけでも30人ほど採用します。だから雇用促進面でも社会に貢献できるのです。
『ポツンと一軒屋』の店では、昼は近所の方たちが集まり、夜はビジネスマンが居酒屋代わりに使います。今までは駅前に飲むところがなかったけど、日高屋ができてありがたい、駅前が明るくなった、夜も安心できるようになった、という声もよく聞きます。
『うちの町にもきてよ』と声を掛けて頂くことも増えました」(神田)
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神田 正(かんだ・ただし)
ハイデイ日高代表取締役会長
1941年生まれ。73年に大宮市(現:さいたま市)内にラーメン店「来々軒」を開店。
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(ハイデイ日高代表取締役会長 神田 正)

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