元スペイン代表のアンドレス・イニエスタが10月8日、現役を引退することを発表した。
小柄ながらも魔法使いのようなテクニックで世界を魅了し、長く所属したバルセロナだけでなく日本のJリーグでもヴィッセル神戸の一員として数々の伝説的なプレーを見せてくれた。
そんな彼の代名詞と言えるのが「背番号8」。そこで、「サッカーの歴史上最も素晴らしかった8番の選手」を紹介する。
ジュニーニョ・ペルナンブカーノ
チーム:リヨン
伝説的なフリーキッカーのジュニーニョ・ペルナンブカーノ。今なお彼ほど「ブレるキック」を扱えた選手はいないし、ボールの進化もあっておそらく今後も出て来ないであろう。
フランス・リーグアンでは歴史上最高の選手であり、ときには守備で深くまで戻りながらも攻撃的MFとして機能するパーフェクトな「8番」だった。
素晴らしいパスセンスとパス精度もあり、ゴールを狙えば正確なシュートが飛んでくる。クリスティアーノ・ロナウドやピルロらも参考にしたというフリーキックはまさに職人芸であった。
フリスト・ストイチコフ
チーム:バルセロナ
「8番を愛したストライカー」という点で言えば、最も優れていたのは伝説のフリスト・ストイチコフであろう。1990年代に注目を集める選手となり、ヨハン・クライフ率いる「ドリームチーム」の一員として多くのタイトルに貢献した。
1994年のワールドカップではブルガリアを4位に導き、バロンドールを獲得。活躍した期間がやや短かったとはいえ、その時のインパクトや選手としての完成度は本当に素晴らしかった。
1998年から2シーズン、Jリーグの柏レイソルでもプレーし、正確無比でパワフルな左足を日本のファンにも見せつけた。
ジェンナーロ・ガットゥーゾ
チーム:ミラン
このリストで最も守備的な「8番」。過去20年間で最も素晴らしい守備的MFの一人であるジェンナーロ・ガットゥーゾは、トップ10のなかに簡単に組み込むことができる唯一無二の存在だ。
ロイ・キーンやクロード・マケレレのようなタフさと強靭さに加え、その凶暴性と勝利のメンタリティが強烈であった。
ミランで数々のタイトルを手にしただけでなく、2006年のワールドカップではピルロとともに世界の頂点に輝いた。
マルコ・タルデッリ
チーム:ユヴェントス
ヨーロッパとイタリアのあらゆるタイトルを獲得した、歴史上でも稀な選手の一人。イタリア代表では1982年のワールドカップも制覇しており、非常に華々しいキャリアを描いた。
ピサとコモでプレーしたあと1975年にユヴェントスへと加入し、それからインテルへ。史上最も完成されたMFであり、様々なポジションをこなし、ボールを素早く扱い、技術的に優れ、ハードなタックルも得意としていた。
サンドロ・マッツォーラ
チーム:インテル
ユヴェントスの8番といえばタルデッリ、そしてインテルの8番といえばサンドロ・マッツォーラだ。これまでイタリアが生み出してきた最高の選手の一人であり、伝説的な「ワンクラブマン」である。
1960年から訪れたインテルの黄金時代を支えたシンボルであり、非常に用途の広い選手だった。ストライカーまでをもこなしたユーティリティプレーヤーで、セリエAで4回の優勝に導いた。1971年にはバロンドール投票で2位と惜しい結果に。
トニ・クロース
チーム:レアル・マドリー
トニ・クロースはおそらく現代で最も素晴らしい「8番」の一人、だった。年月を重ねるごとに味わい深さが増すヴィンテージワインのようにピッチに君臨し、レアル・マドリーとドイツ代表で最高のパフォーマンスを披露。
深いポジションからゲームを作り、ゴールチャンスを作り出す。あまりにも高い一貫性と信頼性を備えており、その技術は誰にも真似することができないものだ。
ソクラテス
チーム:ブラジル代表
古い世代のサッカーファンであれば、ブラジル代表の「博士」ソクラテスの名前は誰もが知っているものだろう。1980年代に重要な役割を果たした選手であるが、ワールドカップ優勝には手が届かなかった悲運の将軍でもある。
非常にカリスマ性がある選手で、そのビジョンやパス能力、試合を読む力は圧倒的だった。190cmを超える体格、強烈なシュート能力、そして柔らかい技術。ピッチ外での過度な飲酒や喫煙で身を崩してしまったが、歴史上最もユニークな「8番」であった。
フランク・ランパード
チーム:チェルシー
ランパードはまさに世界最高の「ストライカー・ミッドフィルダー」だ。過去25年間でも最も素晴らしかった選手であり、危険な選手だった。セントラルMFとしてプレーしながら、チェルシーの歴史上最多得点記録を更新した。
プレミアリーグでの出場数は609。その中で177ゴール102アシスト。これはストライカーやウィンガーでもなかなか達成できない記録であり、そのために数多くのタイトルにも恵まれた。
アンドレス・イニエスタ
チーム:バルセロナ
サッカーの歴史上最も素晴らしかった攻撃のユーティリティプレーヤー。キャリアで35のメジャータイトルを獲得したレジェンドであり、それでありながらもバロンドールを手にできなかった悲運の選手でもある。
バルセロナのアカデミーで育った彼は、もともとは守備的なポジションをこなしていたものの、そこにミカエル・ラウドルップのような攻撃力をプラスしていった。
スティーヴン・ジェラード
チーム:リヴァプール
最後は、アンフィールドのレジェンドであるスティーヴン・ジェラードだ。このリストの中ではタイトルが多かった選手とは言えないが、17年間のリヴァプールでのプレーで積み重ねた実績と栄光はそれ以上のものである。
そのプレーはまさに圧巻。戦術的な賢さ、強靭なフィジカル、キャノン砲のようなシュート。その多様性と資質はジネディーヌ・ジダンやペレからも「世界最高の選手」と称賛されたうえ、リーダーシップも素晴らしいものだった。