エマルション・ラブが監督したスプラッタームービー風のMVは、花柄のワンピースを着た血塗れの女性(ハンナ・ギャンブル)が枯れた草原を黒づくめの人間から逃げ惑うシーンから始まる。女性が転び膝を着いた時、仮面の人間(グレイス)が女性に近寄ると、ギャンブルが笑い始め、グレイスはカメラに向かって引き返す。そして視聴者に向かって手招きをしながら近寄ってくる。これは追われる者を怪物へと変え、追う怪物を追われる者に変えてしまう、実験的な試みとなる作品だ。
グレイスは、本作の映像について「夢で見るように、何かを恐れてそれから逃げている時、それは実際は全く恐れる必要のないものだったりする。もしくは、何かを見た時の第一印象がこれ以上ないくらい間違っていて、その結末も全く違ったものだったりもする」と、語った。
「The Swimming Pool song」は、グレイスがサプライズ発表したソロアルバム『Stay Alive』に収録される。このアルバムは、ロックダウン期間中にスティーヴ・アルビニと共にレコーディングしたもので、パンデミックに対する不安や恐怖と闘うための一つの手段として制作された。その中でもこの曲は、レイヴと呼ばれるウィスコンシンにある建物の地下にある実際の曰く付きプールを題材にしたという。
ローリング・ストーン誌のインタビューに対し、グレイスは「今までで一番めちゃくちゃに気味の悪い場所だった。プールの角にはマック・ミラーが壁にサインしたところがあって、その周りにはガラスの破片が散らばってて。多分彼が亡くなる直前か、その前くらいに最後に遊んだ場所なんだろうね。
From:Laura Jane Grace Turns The Swimming Pool Song Into a Slasher Film for the Covid-19 Era