飲料メーカーで専門部署を立ち上げて新発想のビジネスに挑む動きがみられる。ニーズの多様化や変化の激しさが背景。
既存ブランドやカテゴリ、既存事業では多様化するニーズを捉えにくくなり、迅速な対応が求められることも受けた動きとなる。

 「ブランド担当者が、自分のブランドが該当するカテゴリで愛され続けていくということと、新しい機会を既存の枠組みを超えて見いだしていくという2つの仕事をするのは大変」と語るのは、サントリービバレッジ&フードの大塚匠事業推進本部新価値創造部長。

 同社は昨年4月、新価値創造部を新設。生活者のベネフィットを起点とし、ブランドやカテゴリ、さらには缶やペットボトル(PET)のパッケージ飲料の枠組みを超えていくことを強く意識して新価値創造に取り組んでいる。

 「ブランドを担当すると、そのブランドが属するカテゴリの理解を深く極めることは基本中の基本だが、視野・視点を固定してしまう傾向にある。生活者は一つのカテゴリの飲料だけを飲んでいるわけではなく、一日の生活の中で食品・飲料の役割、ベネフィットを幅広く捉えていく必要がある」と指摘する。

 アサヒ飲料は、2024年9月1日付で新規領域バリューチェーンプロジェクトを立ち上げ、中期視点で既存組織とは切り離したバリューチェーン構築の専門チームを設けたことで新規領域に向けた取り組みを加速させている。

 その1年後には、マーケティング本部の中に、既存カテゴリを深めていくのとは別に横串で新しい価値を生んでいく組織として新価値創造部を特別に新設した。

 今後発売を予定する新価値創造商品には、きめ細かい泡が立つ無糖抹茶の「泡MATCHA」やコーヒー豆を使用していないコーヒー代替飲料「未来のBLACK」「未来のLATTE」、カロリー控えめで果実のほのかな甘さを感じる味わいとハーブの香りが特長の微炭酸飲料「refrezz」、「カルピス」ブランド史上最も酸味が強い「酸味カルピス」が挙げられる。

 加えて、フリーズドライ(FD)を炭酸水で溶かして飲料を作る新体験を提供するとともに、缶やPETを使用しないサステナブルドリンク事業を本格展開する。FDは、アサヒグループ食品のFD技術とアサヒクオリティ&イノベーションズの高レベルな新規技術探求能力に、幅広い製品と組み合わせられるアサヒ飲料の3つの能力を掛け合わせて開発された。

 新事業の創出を見据えるのはキリンビバレッジ。
そのための組織について、井上一弘社長は「今はすべてエリアで分けているが、伸びていくマーケットの中で戦えるような組織に変えていきたい」との考えを明らかにする。

 伊藤園は、2024年5月にマーケティング本部新カテゴリー創造グループを発足。既存の枠にとどまらない新たな商品開発に取り組んでいる。

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