セブン-イレブン・ジャパンの阿久津知洋社長は本紙インタビューで「地に足のついた改革を積み重ね、もう一度『セブンは強い』と思ってもらえる存在にしたい」と再成長への思いを語った。来店価値向上と省人化投資による店舗負荷軽減を両立する一方、接客や地域とのつながりは「セブンの価値そのもの」と強調。
地域に根差した店舗価値を守りながら改革を進める考えを示した。

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――加盟店利益向上へ向けた改革について教えてください。

阿久津 一つの施策で解決するものではないが、まず重要なのはトップライン(売上)の向上だ。所得が上がればお客様の購買力も高まり、価値ある商品にはしっかりお金を使っていただけるようになる。柱となるのが、カウンターの出来たて商品群「Live-Meal(ライブミール)」。ニーズは確実にあり、来店動機づくりや買上点数向上につながると考える。

 一方、出来たて商品の強化は店内調理など店舗負荷も伴う。今年秋以降にはセルフレジと通常レジを切り替え可能な新型レジの導入を予定している。FF販売を損なわず店舗負荷を軽減することが狙いだ。その先にはロボティクス技術を活用した標準化設備導入も見据える。

――人手不足を受けた省人化の対応は。

阿久津 省人化は売上や接客価値を損なわないことが前提だ。
コンビニは町に根差した存在であり、地域オーナーが顔見知りのお客様との会話を重ねたり、子どもたちが最初にアルバイトを経験する場にもなっている。こうしたつながりこそがセブン-イレブンの価値だと考える。一方で、省人化の社会的な進展や加盟店の負荷軽減を踏まえ、対応を進めていく必要がある。

 セルフレジについては、ファストフードやたばこ販売、公共料金受付などへの影響や、接客価値を損なわずに運用できるかを慎重に検証してきた。接客のあり方も含め、ソフト・ハード両面で標準化につながるレジモデルを整備できる段階にきている。

 運営面では、安全面を考えても2人以上のシフトが望ましい。一方、人手不足が進むなかでは、あらゆる可能性を想定しながら安心して働いていただける運営モデルを検討していく必要がある。

――今後の成長戦略と課題は。

阿久津 50年間、優れたビジネスモデルで成長してきた一方、成功モデルへの依存もあり変化対応が遅れた部分もあった。従来のトップダウン型から、社員一人ひとりが主体的に考え行動するカルチャーへ変えていかなければならない。改革効果はまだ端緒だが、会社はポジティブな方向へ変わってきていると感じる。

 中東情勢などを背景に資材・エネルギー価格上昇への対応も加速する。
その一環として進めるのが、店頭のセブンカフェラテマシンの更新だ。従来機種に比べ消費電力を約1割低減する新型機への切り替えを進めており、約5000台を新たに導入、今年度中には導入店舗数を約1万1000店まで拡大する方向で検討している。おにぎりなどの「製造2便制」も北海道に続き、秋以降順次、東北、四国、千葉への一部エリアへ拡大し、エネルギー使用量や物流負荷低減につなげる。AI活用による冷凍・冷蔵設備の霜取り運転の最適化、再生素材活用、包材見直しも進め、価格上昇下でもお客様負担抑制を図る。

 2030年の日販80万円構想は十分実現可能だ。出来たて商品の強化、モバイルオーダー活用、新領域商品の開発、アプリ改革、サプライチェーン改革など成長余地は大きい。地に足をつけて改革を積み重ね、もう一度「セブンは強い」と思ってもらえる存在を目指す。

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