名取常磐ボーイズは宮城・名取市を拠点に昨年から活動をはじめ、今春、東北南支部に登録された一番新しいチームだ。1、2年生の部員16人で6月の選手権大会東北南支部予選で公式戦デビューを果たしたがコールド負け。

2日開幕の第12回マツダボール杯岩手大会に出場、初勝利を目指す。  ※  ※  ※

 地元の期待の星になる。社会人野球KMGホールディングス(旧・九州三菱自動車)の紺の縦じまをベースにしたユニホームは胸に赤い星が輝く。細川篤志総監督(48)は「(選手は)家庭の宝物。そんな子供たちを預かっているので…」と赤い星の意味を説明した。

 名取市に整備・拡張中のグラウンドに加え、室内練習場になるビニールハウスも複数所有し、地元・学童野球にも貸し出す。また空いたスペースで米作りなど農業に乗り出すプランもあり、地域密着を目指す。

 昨年から活動を始めたが、1年間は実戦は行わず練習のみ。今年から1年生が加わり連盟登録された。チームスローガンは「走姿顕心(そうしけんしん)」「声姿顕心(せいしけんしん)」。仙台育英学園秀光ボーイズの初代監督を2年務め発足に携わった石垣恭和監督(27)が名取常磐の監督に就任。「全力疾走と声は一番大事にやろうという意味です」と語った。

 高橋大主将は「自分たちで(チームを)作れることにひかれました。周りから応援されるチームを目指します」とキッパリ。選手会の代表として指導者、父母らとの会議に出席し、練習メニューなど提案することも。「監督と選手の間が近くて、信頼関係ができています」と話した。

 投手陣は「スライダーに自信がある」という左腕・佐藤心と「変化球の精度とキレは負けない」右腕・芝多の2枚看板。お互いをライバル視しながら、切磋琢磨(せっさたくま)し成長してきた。捕手として投手陣を支える1年生の佐藤陸は「学年は関係なく投手の気持ちを尊重したリードをしたい」と意気込む。

 打線は末永が3番を担う。入団一番乗りした男は「練習についていけない」と84キロだった体重を、毎日30分のランニングで10キロ減量に成功した努力家だ。練習試合で既にサク越え弾を放つなどパワーがウリだ。

 初陣となった6月の選手権大会東北南支部予選は郡山中央に0―11で5回コールド負けした。公式戦2戦目となる岩手大会に「相手は3年だけど、全力で勝ちに行きたい」と高橋大主将は、チーム一丸で初勝利を目指す。

 【名取常磐ボーイズ・部員】※は主将

 ▽2年生 ※高橋大地、芝多駿斗、佐藤心太朗、末永琉羽、久戸瀬仁、長岡龍翔

 ▽1年生 阿久津心翔、菅原幹太、亀山弘道、高橋照陽、佐々木康允、佐藤陸斗、菊池蒼介、木村奏太、干葉利寅、丸岡新太

編集部おすすめ