東洋大姫路の最速147キロ右腕・阪下漣(3年)が聖地で再起を誓った。この日は、マウンド横で3球、投球練習。

土の状態を確かめ「もう一度、戻れたんだとうれしさがこみ上げた。甲子園でやり返すしかない」と力を込めた。

 昨秋、絶対的エースとしてチームを明治神宮大会4強に導いた。しかし、迎えた今春センバツで右肘のじん帯損傷が発覚し、初戦の1イニングのみで降板。手術と保存療法の2択に迫られ「高校野球を諦めようという気持ちにもなった」と手術に踏み切ろうとした。しかし、今春から背番号1をつけた木下鷹大投手(3年)らを中心とした仲間の奮闘に「もう一度、チームメイトと野球がしたい」。保存療法でリハビリ期間を過ごし、今夏、背番号10でベンチ入りをかなえた。

 兵庫大会で登板はなかったが、練習では既にシート打撃に4度登板。岡田監督は「良かったり、悪かったりなので、安心して投げさせられるかという感じではない」と慎重な姿勢を崩さないが、存在は絶大だ。「乗り越えたら絶対にいい景色が見られると言い聞かせてやってきて、スタートラインに立てた」と阪下。思い描いた絶景は、もうそこに待つ。(瀬川 楓花)

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