◆JERAセ・リーグ 広島3―1中日(1日・マツダスタジアム)

 2年目の広島・高太一投手がプロ初勝利を挙げた。昨季は中継ぎで1登板だった左腕。

プロ初先発で6回5安打1失点と好投した。初回は1死一、三塁を招いたが、4番の細川に自己最速タイの151キロを見せ、149キロで空振り三振。チェイビスを三ゴロに打ち取ると、3回1死二、三塁でもボスラー、細川の中軸を封じた。

 引きつった表情でマウンドへ。お立ち台では初回を「震えが止まらなかったので、どうにか腕を振ろうと思って。腕を振ったら震えが止まりました」と振り返った。ヒーローインタビューを終え「(実感は)あります。本当にホッとしています」と、ようやく一息。震えについても「それぐらい緊張して。でも悪いことだと思っていなくて。いい緊張感だったと思います」と冷静に語った。

 序盤のピンチは「深く考えないように。

1、2点はしょうがない。今まで0点で抑えようと思って失敗してきたケースが多かったので、1点はしょうがないと思って思い切って投げた」と切り抜けた。直球が走っていたことが、好投の要因。初回の細川との対戦で「あそこで、いいまっすぐを投げられたから(その後も)腕が振れたと思います」と回想した。

 攻撃陣は無得点で迎えた6回の攻撃前に円陣。「絶対に点を取ろう」と気合を入れた。無死一塁で高が代打を送られ、勝利投手の権利を与える最後のチャンスで逆転した。新井監督は「高の頑張りが野手を奮起させた。なんとか高を勝たせてあげたいという、みんなの攻撃だったと思います」と拍手。左腕の投球を「何よりも、打者に向かっていく気持ちが出ていた。すごくいいものを見せてくれたと思う」と絶賛した。

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