◆JERAセ・リーグ 中日2―6阪神(5日・バンテリンドーム)

 ここぞで打つのが、猛虎の4番だ。0―2の8回無死一、二塁。

阪神・佐藤輝は中日・橋本の直球を完璧に捉えた。打った瞬間にそれと分かる一撃は美しい放物戦を描き、右中間スタンドに着弾。28号逆転3ランだ。「何とか打点をというところ。最高の結果になってよかった」。2戦ぶりの一発に胸を張った。

 今季のバンテリンD7戦目で4本目。広い敵地でのアーチ量産が、5年目の飛躍を証明している。「いい当たりじゃないと、入りにくい球場。それだけ打てているというのは自信になる」。飛距離130メートルの特大弾。劣勢も目の覚めるような打球で、勝利を呼び込んだ。

 チームは23年以来、5度目の両リーグ60勝一番乗り。マジックは一つ減って「33」とし、貯金も今季最多タイ23。真夏の9連戦白星スタートとなったが、藤川監督は「まだまだ、チームをつくっていかなければ」と冷静。佐藤輝も「また、ここから大事な時期が続く」と気を引き締めた。浮かれることなく、淡々とVロードを進む。(直川 響)

編集部おすすめ