【甲子園】開幕戦勝利の創成館アルプスにライバル校の応援…海星・長尾日和さん、一人で聖地へ「私たちが負けた分まで」
夢の甲子園での応援を実現させた海星・長尾日和さん（カメラ・藤田　芽生） 画像（1枚）

◆第１０７回全国高校野球選手権大会第１日　▽１回戦　創成館３―１小松大谷（５日・甲子園）

　開幕試合を戦った創成館アルプスに、長崎のライバル校の海星吹奏楽部・長尾日和（ひより）さん（３年）の姿があった。「色々な人とのつながりがあってここまで来られた。

本当に楽しいです」と、初めての聖地でとびきりの笑顔を見せた。

　中学３年の夏、テレビ越しに甲子園で白球を追う海星ナインの姿に胸を打たれた。「ここで演奏がしたい！」。憧れの舞台に立つため、実家のある佐世保市を飛び出し、長崎市内に下宿することを決めた。「お父さんには特に大反対をされて…」。人生を懸けた挑戦だったが３年間、甲子園へはあと一歩届かず。それでも思いは途切れていなかった。

　この日、創成館の吹奏楽部が定期演奏会で甲子園に来られなかったため、地方大会の決勝で敗れた九州文化学園吹奏楽部が代役として駆けつけた。海星は準決勝で九州文化学園に敗れたが、長尾さんは有志として決勝も応援。その熱意を見て、九州文化学園・橋之口裕太校長（４２）は「１人でも夢がかなえられる子が増えれば」とアルプスへ連れてきてくれた。

　「私たちが負けた分まで、創成館の皆さんが力を発揮できるように応援したい」と長尾さん。夢舞台で最高の演奏を届ける。

（藤田　芽生）

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