◆第107回全国高校野球選手権大会第2日 ▽1回戦 仙台育英5-0鳥取城北(6日・甲子園)

 広島への原爆投下から80年となった6日、広島生まれの仙台育英・吉川陽大投手(3年)にとって特別な聖地初登板となった。

 この日は祖父・津雲武典さんと祖母・政子さんも広島から応援に駆けつけた。

高校で野球をする姿を見せるのは初めてということもあり、「いいところを見せたかった」と気合が入ったという。

 これまで、二人の戦争体験に耳を傾けてきた。「いろいろな話をしてくれて、聞いていられないような経験も話してくれて、重く印象に残っています」と故郷の歴史を祖父母から学んできた。

 聖地デビュー戦は、5安打12奪三振の完封勝利。「よく投げてくれました」と武典さんはほほ笑んだ。生まれ故郷と祖父母への思いがつまった129球の熱投だった。(古澤 慎也)

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