◆JERA セ・リーグ 巨人2―0ヤクルト(6日・東京ドーム)

  いやあ、ビックリしたよ、森田くん。こんないいピッチャーが、巨人にいたとはな。

 何より感じたのは純粋さよ。初回、村上に対して内角へ3球、ツーシームを投げ込んだ。全部ボールにはなったけれど、村上だって「俺に真っすぐ系を続けるの?」ってビックリしたんじゃないか。いずれ怖さを感じる時は来るんだろうが、汚れのない思いきりの良さを見せてもらったね。

 左打者の内へあれだけ投げられる左投手は、なかなかいない。内を徹底的に意識させて最後は外へのスライダーで村上を三振。チェンジアップにフォークと球種も多彩。MAXは149キロながら、左打者の外角に投げ込むストレートも制球力抜群。自分から崩れていく心配は全くないくらい変化球の制球も安定している。

 社会人で5年もの経験があるせいか、落ち着いている。初先発に緊張があってもおかしくないのに、28歳という年齢もあって「このチャンスをモノにしないと終わり」という気持ちも強かったんだと思うよ。とにかくもう、文句のつけようのない内容だった。

 1軍でわずか3試合目でこれほどの投球を披露してくれた。7日にマウンドに上がるマー君も、負けてられないぜ。(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)

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