◆米大リーグ ドジャース3―5カージナルス(6日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
圧巻の3者連続三振で締め、ドジャース・大谷翔平投手(31)が力強く右拳を握った。1点リードの4回2死。
今季8度目の登板で、予定通りに復帰後最長の4回、最多の54球を投げ切った。2安打1失点、8奪三振も復帰後最多の快投。最速101・1マイル(約162・7キロ)の直球を中心に強気の投球を見せた。前回のレッズ戦では右の臀部(でんぶ)のけいれんで3回0/3で降板しただけに「4回をしっかりまず投げ切れたのが一番いいこと。次回以降また伸ばしていけたらいいし、投球で特に大きな前進があった日かな」と充実感をにじませた。
世界一の同僚も脱帽するほど圧倒的だった。23年のWBCで「侍ジャパン」として戦ったカージナルス・ヌートバーとはこの日2度対戦があった。だが計5スイング中1度もバットに当てさせずに2打席連続三振の完勝。23年の初対戦時には3打席連続三振を奪っており、通算5打席連続Kとなった。これにはヌートバーも「速球が前回よりも強く、計測以上に速く感じた。完全に回復して6、7回と投げられるようになるのは正直、楽しみではないよ」と脱帽した。
次回は13日(同14日)の敵地・エンゼルス戦で古巣初登板の予定だ。今後も最大5イニングに制限する方針で、ロバーツ監督は「現状と将来の彼の健康の両方を十分に考慮する必要がある」と慎重。「全体的なコマンド(制球)も直球もよかったけど、それ以上に変化球を全体的に試しながらいけたのでよかった」と大谷。完全復活へ、確かな収穫を得た。(竹内 夏紀)