◆JERA セ・リーグ 巨人―ヤクルト(7日・東京ドーム)

 接戦でリードを守り切れなかった。2―1の6回2死一、二塁。

2番手・船迫が中村悠に同点の左前適時打を浴び、G党の悲鳴とため息が球場を満たした。21度目の逆転負けはリーグワースト。阿部慎之助監督(46)は「ミスが出たら負けますから」と険しい表情で語った。

 指揮官の言葉にもあったように、ミスから始まった6回だった。先頭・村上の二塁への正面のゴロを増田大が処理にもたつき、失策に。正二塁手の吉川が7月末に腰痛で離脱してからは門脇や中山が担ってきた二塁で、増田大にとっては今季初スタメン。今季好守を何度も見せて貢献しているが、結果的に失点に直結する痛恨のミスだった。

 守備で言えば、良さも悪さも出た一戦。7回には、その後アウトにこそ仕留めたが、無死一塁で岩田のバントが小飛球となって一塁ファウルゾーンに飛ぶと、リチャードがグラブではじく場面も。一方で直後の2死二塁では天井に直撃した村上の打球を丸がスライディングキャッチする好守もあったが、流れを呼び込めなかった。中村悠の同点打も、キャベッジの左翼からのバックホームが難しいバウンドとなり、岸田がさばききれない、紙一重のプレーだった。

 同点の8回、田中瑛が先頭・オスナに今季打者130人目で移籍後初被弾となる左翼ポール直撃の決勝ソロを許した。

右腕にとっては19登板ぶりの失点。奮闘の跡を刻み続けているだけに責められない。救援陣は連投中でベンチ外だった大勢の48登板を筆頭に、リーグで9人いる40登板以上がマルティネス、中川、田中瑛とチームに4人。1点を争う試合が多いだけに、チームの本来の「守り勝つ野球」を遂行するためには、とにかく防げるミスを防いでいきたいところだ。

 阿部監督が「術中にハマってましたからね」と振り返ったように打線も相手先発・石川を打ち崩せず3安打2得点に終わった。ホームでのヤクルト戦の開幕からの連勝も8でストップし、借金生活に逆戻りした。今季100試合を終え、残り43試合。8日からのDeNA3連戦(横浜)で仕切り直す。(田中 哲)

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