◆第107回全国高校野球選手権大会第3日 ▽1回戦 津田学園5×―4叡明=延長12回タイブレーク=(7日・甲子園)

 甲子園に爆音の「叡明Victory」が鳴り響いた。埼玉大会で好機に演奏されると点が入ることから“魔曲”と話題になった。

この日も得点圏に走者が進むと、吹奏楽部の演奏により一層、力が入った。無死一、二塁から始まるタイブレークでは津田学園にプレッシャーを駆け続けた。

 3年前、吹奏楽部顧問の中畑裕太さん(40)が「部活動から学校を盛り上げたい」という思いで作曲した。「相手の不安をあおるため」と短調で制作。曲名には「新しい高校から世界に羽ばたいていく人材を。日々勝負」という願いが込められた。

 10日に吹奏楽部の県大会が控えているため、部員255人のうち、136人で甲子園に駆けつけた。中畑さんもコンクールの準備のため甲子園には来られなかったが、思いは託された。応援団長の中嶋瑛斗さん(3年)は「この曲が流れると、スイッチ入れなきゃっていう雰囲気になる」と声をからした。

 チームは延長12回タイブレークの末、敗れたが、初出場で堂々と戦い抜いた。甲子園で奏でられた「叡明Victory」とともに、新たな歴史を作り上げていく。(藤田 芽生)

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