◆JERAセ・リーグ 中日8―3阪神(7日・バンテリンドーム)
マウンドで輝く背番号18に羨望のまなざしを向けていた金丸が、スタートラインに立った。神戸出身で、幼少期からオリックスのファン。
大学3年時の23年10月、クライマックスシリーズ(CS)最終ステージのオリックス―ロッテを京セラDで観戦。5回終了時に大型ビジョンで流れるハイライト映像の“スターター”に抜てきされた。由伸の応援タオルを手に、友人たちと「ゴー! ハイライト!」と拳を掲げ、ビジョンデビューした。
うれしい出来事は続いた。ビジョンに映ったこの年、大阪市内の接骨院で右腕と対面する機会に恵まれた。身長178センチの由伸に対して、自身は177センチ。「体が大きい方ではないけど、あれだけ結果を残されている。僕も頑張ろうって思える」と大きな刺激を受けた。
夢は、共に日の丸を背負うこと。24年3月に、アマチュアで日本代表に選出され、欧州代表との強化試合に先発したが、メジャー選手は不参加だった。「一流の選手の方と戦えてよかった。
努力を重ね、ようやくつかんだプロ初勝利。ファンとして登場した大型ビジョンに、この日は主役として大きく映し出された。「誰かに、憧れてもらえる選手になりたい」。22歳左腕の雄姿は本拠地バンテリンドームで誰よりも輝いていた。(中日担当・森下 知玲)