◆JERA セ・リーグ 巨人2―3ヤクルト(7日・東京ドーム)

 野手顔負けの華麗なセンター返しだった。ヤクルト・石川雅規投手(45)がバットで金字塔にたどり着いた。

1―1の5回2死。「なんとか塁に出ようという気持ちだけ」と、田中将の直球を中前に運んだ。

 今季初安打でNPB史上6人目となる24年連続安打を達成。投手としてはDeNA・三浦大輔(現監督)に並び最長タイで、プロ1年目からでは自身の23年連続を塗り替える最長記録を打ち立てた。「三浦監督はいつも『打てよ』って言ってくれる。何事も続けていることを(さらに)続けるというのは難しいし、簡単なことではない。自分自身も記録があるのであれば続けていきたい」と“番長超え”を見据えた。

 27年からはセ・リーグもDH制を採用することが決定し、ファンの間では石川の連続安打は「不滅の記録」という声も上がる。常々「投手は9番目の野手。打席に入ったら1本打ちたい」と語ってきた45歳が、投手が打席に立つ醍醐(だいご)味を体現した。

 投げては日米通算198勝の田中将と合わせて通算386勝のベテラン対決で、緊迫の投手戦を演じた。6回1死一塁では岸田を外角のシンカーで投ゴロ併殺斬り。

「田中投手がすごく気持ちのこもったピッチングをしていたので、僕も引っ張られた」と6回3安打2失点。189個目の白星はお預けとなったが、「ドームで連敗していたので、チームに勝ちを持ってこられるピッチングができたのでよかった」。東京Dの今季最終戦にして開幕からの敵地連敗を8で止めた喜びに浸り、汗を拭った。

(長井 毅)

◆野手含めても6人…記録メモ

 ▼…45歳6か月の石川(ヤ)が今季初安打。この年齢での安打は、浜崎真二(阪急)が50年9月28日の大映戦で記録した最年長の48歳9か月を含め、45歳で1安打、46歳で6安打、48歳で3安打。13年に48歳で1安打の山本昌(中)に次ぐ年長安打。いずれも投手になる。なお、野手では57年岩本義行(東映)の45歳5か月が最年長。

 ▼…これで入団1年目の02年から24年連続の安打。24年以上も安打を続けたのは6人目。入団1年目からは27年の谷繁、投手では24年の三浦と並んで、ともに2人目。投手で1年目から記録したのは、石川が初めてだ。

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