◆JERA セ・リーグ DeNA2―12巨人(8日・横浜)
今季10度目HQS 熱風にも負けず、山崎は腕を力いっぱい振り抜いた。桑原のバットが空を切ると、静かにうなずいた。
7回110球を投げ、6安打1失点で9勝目。これで18試合に登板して、今季10度目となるハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)を達成。「1か月ぐらい勝ててなかったので、久しぶりの勝利となりましたが、野手の方に感謝したいです。3点取っていただいたので怖がりすぎずに最少失点で粘っていこうと思いました」と仲間に感謝した。
リベンジを果たした。DeNAには前回1日(東京D)、4回2/3を投げ今季ワーストとなる6失点。同カードの連勝は7で止まったが、「打たれていたので何か違うことを考えて」と捕手の甲斐と話し合い、最速150キロの直球に、前回は投げていなかった最遅82キロのスローカーブも織り交ぜるなど3回以降は無失点。フォークも効き、6三振を奪うなど、前回の悔しさを晴らした。さらにこの日は「ロイドの誕生日やねん」。
ここから食らいついていく。この日登板した横浜で行われた球宴では阪神・村上とキャッチボールを行うなど他球団の選手とも交流を楽しんだ。村上は同じ兵庫県出身で同学年。大学日本代表として同じユニホームを着て戦った間柄でもある。「村上は俺の友達やから! キャッチボールするのが大学の時の6、7年ぶりとかになる。感慨深いなぁ~」と学生時代を思い返しながら、「やっぱりすごい。体の近いところからピュッとボールが来て、良いボールやった」と刺激を受けた。これで村上に追いつき、リーグトップの東に1勝差とする9勝目を挙げた。
3年連続2ケタ勝利まであと1勝。お立ち台では「2年連続(10勝目が)最終戦になってしまっている。
高橋由伸Point 山崎は回を追うごとに良くなった印象だ。スピードはあっても球のキレがいまいちで、その分、スローカーブを使ったり、内外角への制球も安定していた。悪くても抑える術(すべ)を知り、打線が点を奪ったことで大胆さも出てきた。状態を上げようと腕を振り、フォークの落ちも良くなった。投打の歯車がかみあうとはこういうことを言うのだろう。この日は、DeNAに助けられた部分も多い。2回には林の右翼フェンス直撃打で二塁走者のオースティンが本塁をつけなかったりと、逆に立ち直る時間をくれた。勝たなければいけない試合だった。