巨人のファーム選手の今を伝える「From G」。第14回は笹原操希外野手(21)。
4月に支配下昇格した笹原は、同17日のDeNA戦(東京D)でプロ初安打。2度の1軍昇格を経験したが、準備段階でいかに相手投手の明確なイメージを作り上げられるかが結果を左右すると痛感したという。
「今は投手の映像がいくらでも見られる。しっかりと試合前に投手を観察して、実際に試合で打席に立った時にはイメージとの差があまりないようにする。その準備は大切だと感じました」
6月9日に2度目の2軍降格。2割9分だった2軍打率は、7月下旬には2割4分台まで落ちた。思うような打撃ができない中で、指揮官の助言を参考にしながら打席での意識を変えた。
「無駄に力が入りすぎていたというか、安打を打つために、より強いスイングで、強い打球を打ちたいという思いからスイングがバラバラになった。今は桑田2軍監督がおっしゃる『野手のいないところに打つ』ことが大事だと思うし、どうしたらそこに打てるのかを最近は考えています」
2軍調整中だった主砲・岡本からも助言を授かった。
「『漠然とこの球を打ち返そうではなくて、この球の、どの高さをどこに打ち返すか、というイメージするといいよ』と。いろいろな話を聞かせてもらいましたが、最近は相手投手を見て、どこに打ちにいくかを決めて打席に入っています」
理想の形で打ちたい、遠くに飛ばしたい、などといった意識を持たないことも重要視している。矢野2軍打撃チーフコーチは「欲を捨てろ」という言葉で、注意を促してくれるという。
「きれいな打球を打とうとしても、試合では自分主導ではなくて投手ありきなので。例えば左投手なら、二塁手の頭上に打ちにいくと決めます。自分が思っているよりも球威があったら、投手と遊撃手の間に強く打つイメージで…とか、センターに意識を置きながら前で捉えて左中間にライナーを打ちにいこうかな、と考えたりします」
もう一度1軍にはい上がり、競争を勝ち抜いていくために走攻守そろったプレーでアピールを重ねていく。
「1軍の力になりたいですけど、まずは自分ができることをやらないといけない。打撃はもちろんですが、1軍に残るなら守備と走塁でもインパクトを残して、全てがつながっていくようにプレーしていきたいです」
◆笹原 操希(ささはら・みさき)2004年2月9日、長野市生まれ。21歳。小学3年から長野南リトルで野球を始める。上田西では3年春に甲子園出場。高校通算33本塁打を放ち、21年育成ドラフト4位で巨人入団。