◆日本海リーグ 富山5―4石川(31日、富山市民)

 富山GRNサンダーバーズは、5―4で石川ミリオンスターズに9回サヨナラ勝ちを決めた。9回2死満塁で、7番・境勇惺左翼手(19)が右前安打を放って劇的勝利。

試合後のヒーローインタビューで、境は「前の打席で凡退していたので、なんとか1本打ちたかった。最高です」と満面の笑顔を浮かべた。

 勝利に貢献したのが、プロ注目の1番・幌村黛汰中堅手(だいた、21)で、この日は2盗塁をマーク。3回は四球で出塁すると、俊足を発揮して盗塁に成功。内野ゴロで三塁に進んだ後は、中飛で悠々と生還した。後期は通算13盗塁とリーグトップをキープ。幌村は「スタートが上手く切れれば、セーフだと思っている。全集中です」と自信を持つ。

 北海道出身で、新潟県の帝京長岡高に進学。卒業後は社会人野球のIMFバンディッツ富山でプレーしてきたが、試合数も多く、スカウトの注目度の高い独立リーグに今春から加入を決意した。俊足、巧打を期待され、今季はリーグ開幕から1番打者に抜擢。打率も3割2分8厘をマークし、NPBのスカウトからも期待されている。

 母の由香さんは、未来富山高の寮母を勤めており、今夏の甲子園にも帯同して選手を支えた。「寮では、朝晩とご飯を作る量がケタ違いだそうです。甲子園でも大変だったそうですが、みんなで行けて楽しかったと言っていました」と話す。

 今季の目標は盗塁王を獲得し、NPB入りを果たすこと。「塁に出れば常に盗塁を狙っている。なんとしてでも、NPB入りを決めて活躍したい」と幌村。大きな目標に向け、リーグ終盤へラストスパートを誓う。(中田 康博)

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