◆関西六大学秋季リーグ 第1節2回戦 大院大4ー2大商大(31日・GOSANDO南港)
大院大が8季連続優勝を目指す大商大に競り勝ち、1勝1敗とした。10月23日のプロ野球・ドラフト会議で指名候補に挙がるエドポロケイン中堅手(4年)が、2試合連続となる決勝3ランを放った。
一直線に伸びていく白球に球場が沸き立った。1―1の6回無死一、二塁。大院大のエドポロは甘く入ったカットボールを捉え、左翼後方にある防球ネットを越える特大3ランを放った。2戦連発となるアーチに「打った瞬間、入ったな、と。完璧でした。練習やオープン戦ではもっと飛ばしますよ(笑)」と、笑みがあふれた。
スタンドからの「ケインの広背筋~」という応援歌を背に、衝撃弾は指揮官すらも高揚させた。「(今まで見たことが)ない、ない、ない(笑)」。現役時代は近鉄、阪神でプレーし、2023年12月まで天理(奈良)で指揮を執った中村良二監督(57)は「彼は特別。オリックスの太田椋(天理での教え子)もそこそこ飛ばしていましたけど、打球の速度とか上がり方とかが違いますよ」と太鼓判を押した。
190センチ、101キロの筋肉質な体格だ。中学時代はラグビー部の監督に何度も勧誘された。スタンドでは大柄な2人の兄が見守っていた。次男のキング(24)は総合格闘家だ。「大学に入ってから初めて見に来たと思う。目の前で打てて良かった」と目を輝かせた。
10月23日にはドラフト会議が控える。大院大からNPB選手が誕生すれば、12年の阪神5位で、オリックスでもプレーした金田和之以来となる。日ハムの熊崎スカウトは「(場外弾は)すごいなぁ。能力は高いし、取り組む姿勢も良いし、伸びしろだらけ。走るのも守るのも能力が高い」と期待感を口にした。
3戦連発なら、91年の春と秋にマークした大商大・佐伯貴弘(元横浜)に並ぶ連盟記録。あと3本塁打で佐伯が持つ通算最多12発に到達する。「一試合一試合、全力でやる」とエドポロ。無限の可能性を秘める原石が、ラストシーズンでさらに輝きを放つ。(松ケ下 純平)
エドポロケイン
▽生まれとサイズ 2003年7月2日、大阪市生野区。22歳。190センチ、101キロ。右投右打。
▽球歴 北巽小2年からナガセボーイズで野球を始め、巽中では南大阪ベースボールクラブに所属。日本航空(山梨)では2年秋からレギュラー。3年夏の甲子園は前川(現阪神)らを擁して準優勝した智弁学園に3回戦で敗退。大院大では1年春からリーグ戦に出場。
▽趣味 ロードバイクでのサイクリング、漫画(ONE PIECE、キングダム)
▽憧れの野球選手 米大リーグ・ブレーブスのR・アクーニャJr.。「走攻守がそろっている。足が速くて肩が強い」。
▽家族 父はナイジェリア人。母は韓国人。兄2人、姉1人。